フレンチ・クラシック・カフェ

#63 自由な発想での管弦楽曲-ドビュッシー『海』

10.14.2022 - By 笹川日仏財団Play

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三部からなる管弦楽曲で、交響詩『海』と呼ばれることもありましたが、原題は La Mer, trois esquisses symphoniques pour orchestre(管弦楽のための3つの交響的素描)とあり、フランツ・リストが提唱した自由な発想における管弦楽曲、という枠を超えた、より具体的な表現になり、各楽章ごとに表題も添えられています。 しかし、その表題も、作品がほぼ完成し、出版間際になって変更しました。 例えば第一楽章「サンギネール諸島付近の美しい海(Mer belle aux Îles Sanguinaires)」(作曲のきっかけになったと思われるカミュ・モクレール小説の題)から「海上の夜明けから真昼まで(De l'aube à midi sur la mer)」のように。 それは、自身も語っているように、『総て頭の中にある海の記憶』で、ブルゴーニュ地方の山あいで作曲を始め、のちに訪れるジャージー島やノルマンディ地方の海を目の前にして、何某か変化があったからなのでしょうか‥。 

【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『海』第2曲「波の戯れ」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

     イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

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