フレンチ・クラシック・カフェ

#80 いつにない激しさは情熱か?-フランク『ヴァイオリン・ソナタ』

02.10.2023 - By 笹川日仏財団Play

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セザール・フランクがいかに無欲、善良、つまり聖者のような人物だったかという人間性については数多くの人の証言があリます。

彼を間近で観察し続けた作曲家のヴァンサン・ダンディは「彼の作曲の動機は、栄光でもなく、金でもなく、安易な成功でもなかった。彼の目的は、芸術を手がかりに自らの思考と感情を表現しようとすることだった。そして、何よりも真の意味で彼は謙虚な人だった」と語っています。

かのドビュッシーは、パリ音楽院在籍中、一時期フランクの和声クラスに属したものの、正統でアカデミックなフランクの教えについて行けず、教室から逃げ出し、別な部屋で自分の好きなハーモニーを引き続けていた事があった時も「好きなだけ好きな和音を弾くといい」と許容したそうな...。

しかし、ドビュッシーがフランクについては深い敬意を持ち続け、彼が嫌ったワーグナーに唯一対抗しうる「フランス音楽」の作曲家という評価もしていた、とも‥.。

【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】セザール・フランク作曲『ヴァイオリン・ソナタ』第二楽章 西崎崇子/ヴァイオリン イェネ・ヤンドー/ピアノ

    イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

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