フレンチ・クラシック・カフェ

#90 フランスならではの小粋-サン=サーンス『チェロ協奏曲第1番』

04.21.2023 - By 笹川日仏財団Play

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サン=サーンスが作曲した弦楽器のための協奏曲は、装飾的で超絶技巧を必要とする複雑な音符はあまり並んでいません。縦横無尽に音符が駆け巡るような音形が、極度に簡素化されたオーケストラの伴奏によって引き立つような配慮がなされています。

それはパリ・マドレーヌ寺院という、奥行き108m/幅43m/高さ33mのギリシャ神殿のような形状の、途轍もなく巨大な寺院で、19年という長きに渡る期間オルガン奏者を務め、天地を揺るがすような壮大に響く縦のハーモニーの中に身を呈していたサン=サーンスにとっての反作用で、横に連続する音符が軽妙に疾走する音楽が、まったく別世界で魅力的だったのかも知れません。 

【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲『チェロ協奏曲第1番 イ短調』 第2部 ジャン=フランソワ・モナール/指揮 マリア・クリーゲル/チェロ

    ボーンマス・シンフォニエッタ/演奏

    イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

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