合意形成はみんなの悩みの種。アイデア発想や、クリエイティブの提案を受けて決めなければいけないときに、「どれにするか」という合意形成には難しいものがある。民主的に合意形成しようとするときの落とし穴は、CULTIBASEの記事にも書いた通り。決済者の意見を伺うのも、健全に話し合うのも、投票してしまうのも、どれもうまくいかない印象がある。安斎がよく使う手法に、「多様決」というものがある。これは反対票と賛成票を衝突させて、そのかけ算が高い選択肢が勝つ、というやり方で、例えば「いいね8票、モヤモヤ0票」は0点で、「いいね5票、モヤモヤ5票」は25点になる。多数決には「アイデアの精度がそこまで良くないうちに合意形成されてしまいうる」というリスクがあるが、多様決では「モヤモヤ入れたのは、どうして?」という問いから、一緒にアイデアをブラッシュアップすることができるような議論になる。ミナベの組織の意思決定のイメージは、“川の流れ”。川の一部分だけを堰き止めても流れをおさえることはできないように、組織の意思決定も流れを見極めて「いっせーのーせ」で要所を全部おさえなければいけない、という感覚がある。局所的な「YES」は真の合意形成ではなく、意味はない。「いいね!」がみんなのなかで腹落ちしながら連鎖していくからこその合意形成である。