あの人の英語の、ホントのところ

#05. 礒谷 有亮さん(ニューヨーク市立大学美術史学科 博士号取得候補者)


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アメリカでフランス写真史を研究する礒谷 有亮さんに、子どもの頃から持ち続けている言語に対する興味、英語やフランス語を含む多言語の習得に使ってきた“定番”の学習法、文法を学ぶメリットなどについてうかがいました。 礒谷 有亮 Yusuke Isotani ニューヨーク市立大学美術史学科、博士号取得候補者(Ph.D. Candidate)。専門は写真史。現在は両大戦間期のフランスにおける写真の変遷について博士論文を執筆中。 大阪出身。大阪大学文学研究科博士前期課程時にフランス、ストラスブールへ一年間交換留学。後期課程時に渡米して現在に至る。アメリカ滞在中は学業のかたわらニューヨーク市立大学各校で講師として教鞭もとる。 専門がフランスに関することなので米・欧・日を行ったり来たりしています。物心ついたころから言葉全般に興味があり、方言と標準語や各言語間、話し言葉と書き言葉の違いを考えたり、古今東西の言葉遊びやオノマトペ、語源を調べるのは今や立派な趣味に。 Emi 自己紹介、お願いできますか。 Yusuke はい、礒谷有亮といいます。今はニューヨーク市立大学の博士課程に所属していまして、美術史学をやっています。専門は写真史、写真の歴史です。両大戦間期(第一次と第二次世界大戦の間)のフランスの写真をテーマに、いま博士論文を執筆中です。 Emi ご専門はフランスに特化していて、現在もフランスに滞在中なんですよね。今はフランス語モード?(笑) Yusuke そうですね。そういう部分がある気はしますね(笑)。 Emi 使える言語はいくつ? Yusuke 日本語、英語、フランス語は生活するのに不自由ないくらいにはしゃべれます。あとは大学の学部の頃に授業を取っていたので、ドイツ語とスペイン語とイタリア語。ドイツ語はまだ読めますが、スペイン語とイタリア語に関してはもうほとんど忘れました。 Emi 日本の大学の学部時代、専門はすでに美術史だった? Yusuke 実は、もともとは考古学にいました。第二外国語で取ったのもドイツ語で、フランス語はまったくやってなかったんです。いろいろありまして、最終的になぜか美術史に移動し、なぜかフランスのことをやって、今に至るという感じです。 Emi 考古学というのは、そうやって外国語をいろいろ知っておいた方が便利な分野? Yusuke どの国の研究をするかにもよりますが、僕はもともとマヤとかアステカとか、中南米のことがやりたくて、スペイン語を取りました。僕の所属していた大学では日本のことしかやっていなかったので、大学院に入ってから留学するつもりでした。 ところが、たまたま西洋美術史の授業を取る機会がありまして、「もしかしたらこっちなのかも」となって。授業の後で先生のところへ行って、「変わってみたいんですけど、いいですか?」みたいなことを聞いてましたね。 Emi 学んだ言語のラインナップはヨーロッパの主要な言語ばかり。すっかりヨーロッパに向いていたのかと思ったら、実は入口は南米のスペイン語からだった。   大阪弁から「言語間の違い」に興味をもつ   Emi プロフィールによると、「物心ついたころから言葉全般に興味があり、方言と標準語や各言語間、話し言葉と書き言葉の違いを考えたり…」。もう少し詳しく伺いたいんですけど、どんなことを? Yusuke たぶんいちばん大きいのは、大阪出身で、大阪弁だということですね。大阪弁と、いわゆる標準語と呼ばれるものとの違いについて、わりと小さいときからよく「なんでこんなに違うんやろ」と考えていた記憶があります。それはもう肌感覚みたいなもので、ちょっと誇張するなら、「~じゃん」とか言ってるのを聞くと、なんか背中がゾクゾクして気持ち悪い。 Emi “標準語”というか東京弁を聞く機会があって、大阪弁と言語的に比較することがあった? Yusuke それはたぶんテレビを見てても普通に起こることだと思うんですけど、実際の体験としてわかりやすく出てきたのは中学のときだと思います。 僕は生まれも育ちも大阪なんですけど、中学は兵庫の学校に通っていました。学校に初めて行ったとき、「しゃべってる言葉が違うぞ」と感じたんです。西宮あたりの学校だったんですけど、たとえば「~してる」というときに、彼らの語尾は「~しとう」となる。それを聞いたときにものすごく違和感があって、「この人たちがしゃべってる言葉はなんだろう。いちおう大阪弁っぽいイントネーションやけど、なんか語尾が違うぞ」みたいな。そのあたりから、「自分のしゃべってる言葉ってなんやねんやろ」と考えていたふしがあります。 Emi 中学に入って、関西圏内とはいえ自分の生まれ育った地域とは別の地域の、同い年の子どものしゃべる言葉を聞いて、違いを見つけたり、自分の話している言葉を客観的に見たりということが、敏感にできていた。 Yusuke それはわりと無意識的にやっていた気がします。 それから、よくわからない言葉を知るのが好きでした。たとえば、小学校には必ず一人か二人、よくわからん呪文みたいなものをどっかから見つけてきて、覚えて言ってるヤツっていうのがいるんですよ。僕はそういうのが大好物で、必死になって覚えていた記憶があります。 Emi (笑)たとえばどんな呪文? Yusuke 詳しくは覚えてないんですけど、それこそ「アブラカタブラ」みたいな、何語かよくわからない、ただ語感だけがあるみたいな言葉。そういう類のものはすごく好きでしたね。 あとは恐竜が好きで、およそ日本語ではない、覚えにくい長い名前をひたすら頑張って覚えていた記憶があります。 …

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あの人の英語の、ホントのところBy Kamiya English Coaching

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