鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!~AIを使って世界征服じゃ!~

11月20日(木)Podcast「AI×農業の最前線―“畑とテクノロジー”をつなぐアグリコミュニケーター藤井さん」


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今回のPodcastは、「農業×AI」という異色のテーマ。ゲストにお迎えしたのは、inaho株式会社のアグリコミュニケーター 藤井智大さん。 “畑とテクノロジーの通訳者”として、農家とエンジニアの間をつなぎ、現場に本当に役立つAIロボットを開発している方だ。

inahoは、畑で働く収穫ロボットや、作業を効率化する代車ロボットを自社開発するスタートアップ。大きな農機メーカーでは手が届かなかった“選んで収穫する野菜”にフォーカスし、トマトやアスパラのように「これは採る/これはまだ採らない」の判断が必要な収穫作業をAIで支える。藤井さんは、エンジニアと農家の感覚のズレを埋め、どちらの言語も話す“橋渡し役”として開発の根幹を担っている。

彼らの哲学は“完璧な自動化”ではなく、“人とAIの最適な共存”。AIには不得意な人間の繊細な判断は任せない。一方、重労働や高所作業はロボットが引き受ける。すべてを置き換えるのではなく、人の負担を減らし作物を守るためにAIを導入するという発想だ。

アスパラの収穫ロボットの話は特に興味深い。夏は1日に10cm以上伸びることもあるアスパラは、収穫タイミングを逃すと出荷できない。農家は朝と夕方の2回畑へ行く必要があるが、ロボットが24時間見回って“ちょうどいい長さ”を見つけて収穫することで作業頻度は半分に。結果、農場を拡大でき、生産量を増やせる可能性が広がっている。

さらに印象的だったのが、国レベルでスマート農業への投資が加速しているという話。来年に向け、スマート農業関連予算は16億円から54億円規模に増加。少子高齢化で農家が85%減ると予測される中、食の持続性を守るため、国の“本気度”が高まっているという。

藤井さんは、「AIは農家の敵ではなく、現場を支えるパートナー。正しく使えば、生産性だけでなく、働く人の人生の選択肢も広げられる」と語る。

テクノロジーが畑に入ることで、農業の常識そのものがアップデートされようとしている。そんな“未来の香り”がたっぷり詰まったPodcast回だった。

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鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!~AIを使って世界征服じゃ!~By TOKYO FM