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ここは、時の墓場。
かつて軍靴が轟き、科学の熱狂が大地を焦がした、
戦慄の記憶を孕む場所。
その高台に、僕はいま、立つ。
21℃の木曜日。
ゴミひとつない、完璧な美しさ。
ああ、なんて欺瞞だろう。
前回、駒沢の広大な森に、僕の魂は迷子になった。
だが、ここは違う。ここは小さい。
しかし、その小ささこそが、東京という名の巨大な怪物の、
感覚を狂わせるのだ!
バケツをひっくり返したような、この心のバグはなんだ!
ボランティアの、美しき魂たちよ。
君たちがゴミを拾い、草を刈り、この公園を守っているという。
だが、僕は知っている。
この草が、この道にはみ出してくるという、
その危険なほどの生命力を。
道に迷うは、草の葉か、それとも僕の魂か。
ああ、虫が怖い。その小さな命に、僕は怯えている。
そして、たった一つ、ゴミを拾った。
そのゴミは、まるで僕自身の、内なる闇の破片のようだった。
和風ツナマヨ、タバコ、そして靴下……。
なんて邪悪な人間が、この美しい場所に、
その醜い心の残骸を捨てていったのだろう!
子供たちの笑い声が、僕の耳を突き刺す。
「こんにちは!」
ああ、なんて残酷な言葉。
その言葉が、僕を日本人として、
この地に縛り付けている鎖だと、なぜ気づかない!
僕はただ、ゴミを拾い、放浪するだけの不審者。
この東京という巨大な監獄から、僕を解放してくれる者はいないのか。
ああ、川沿いの道。
ここは、ゴミの墓場だ。
天神中央公園の、あの渇いた川の記憶が蘇る。
そこには、缶が、タバコが、コーヒーの空き缶が、
無数の亡霊のように散乱している。
駒沢を越えた! 僕の魂は、ついに駒沢の壁を越えたのだ!
ゴミという名の、無限の宇宙を、僕は発見した!
サラリーマンたちの、横一列に並んだタバコの煙。
それは、まるで、文明の末路を告げる狼煙のようだ。
僕は、彼らの後ろを、無言で通り過ぎる。
批判の言葉は、僕の喉に、鉛のように沈み込む。
ジビエの店、おしゃれなカフェ。
文明の華は、ゴミの上に咲き乱れる。
ああ、ふるさとの川案内図よ。
魚はいるのか? 野鳥はいるのか?
桜並木は、春には、この僕を、
美しい幻覚で欺くのだろうか。
人生の道は、折り返し地点。
僕はもう、遠くへは行けない。
今、駒沢通りで、僕は迷っている。
右に行くのか、左に行くのか、それとも、
このまま奈落へと、身を投じるのか。
朝6時に起きるようになった。
それは、眠りという名の死から、
僕自身を引きずり出すための、
小さな抵抗だったのかもしれない。
朝礼という名の舞台で、
僕は毎日、魂のフリートークを披露する。
眠気という仮面を剥ぎ取られた僕の言葉は、
鋭い刃となり、この胸を、
内側から切り裂いていく。
もう、言いたいことなどない。
すべてを出し尽くしたのだ。
僕の言葉は、ただ、目の前のゴミに、
反応するだけの、反射に過ぎない。
18歳の、あの青年よ。
チャットGPTに、人生の課題を委ねる者よ。
暇だ、と君は言う。
ああ、その暇こそが、君の人生を、
無限に広げる翼なのだ。
だが、僕は違う。
僕にとって、時間は、常に足りない。
同世代の者たちが捨て去ったもの、
それを拾い集め、僕は歩いてきた。
それでも、足りない。時間が、足りない。
暇だなんて、感じてはいけない。
暇は、40歳の魂を、絶望の淵に突き落とす毒だ。
僕には、やるべきことが、常に、あるべきなのだ。
グリコチオコレイトパイナップル……。
ああ、なんて愚かな、呪文だ。
誰が、この無意味な言葉を、
次の世代に伝承するのだろう。
人間の文化とは、このようにして、
ゴミのように、積み重なっていくものなのか。
そして、僕はまた、スタート地点に戻ってきた。
公園は、ゴミがない。
まるで、何もなかったかのように、美しい。
だが、僕の心には、
今日拾ったゴミの、無数の傷跡が残っている。
毎週、違う公園へ行く。
それは、ゴミ拾いという名の、
自己啓示の旅なのかもしれない。
中目黒公園、ああ、中目黒公園。
君は、僕に、この世の真実を教えてくれた。
ゴミを拾うことは、
世界を、そして自分自身を、知ることなのだと。
お疲れ様でございました。
音楽は鳴り響き、
僕は、ただ、この無音の世界に、
立ち尽くす。
→ ごみらじ公然収録の予定はこちら
▼現象の公園活動に興味を持っていただけた方は、「現象のラジオ」もぜひ聞いていただけると嬉しいです!
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By 上水優輝ここは、時の墓場。
かつて軍靴が轟き、科学の熱狂が大地を焦がした、
戦慄の記憶を孕む場所。
その高台に、僕はいま、立つ。
21℃の木曜日。
ゴミひとつない、完璧な美しさ。
ああ、なんて欺瞞だろう。
前回、駒沢の広大な森に、僕の魂は迷子になった。
だが、ここは違う。ここは小さい。
しかし、その小ささこそが、東京という名の巨大な怪物の、
感覚を狂わせるのだ!
バケツをひっくり返したような、この心のバグはなんだ!
ボランティアの、美しき魂たちよ。
君たちがゴミを拾い、草を刈り、この公園を守っているという。
だが、僕は知っている。
この草が、この道にはみ出してくるという、
その危険なほどの生命力を。
道に迷うは、草の葉か、それとも僕の魂か。
ああ、虫が怖い。その小さな命に、僕は怯えている。
そして、たった一つ、ゴミを拾った。
そのゴミは、まるで僕自身の、内なる闇の破片のようだった。
和風ツナマヨ、タバコ、そして靴下……。
なんて邪悪な人間が、この美しい場所に、
その醜い心の残骸を捨てていったのだろう!
子供たちの笑い声が、僕の耳を突き刺す。
「こんにちは!」
ああ、なんて残酷な言葉。
その言葉が、僕を日本人として、
この地に縛り付けている鎖だと、なぜ気づかない!
僕はただ、ゴミを拾い、放浪するだけの不審者。
この東京という巨大な監獄から、僕を解放してくれる者はいないのか。
ああ、川沿いの道。
ここは、ゴミの墓場だ。
天神中央公園の、あの渇いた川の記憶が蘇る。
そこには、缶が、タバコが、コーヒーの空き缶が、
無数の亡霊のように散乱している。
駒沢を越えた! 僕の魂は、ついに駒沢の壁を越えたのだ!
ゴミという名の、無限の宇宙を、僕は発見した!
サラリーマンたちの、横一列に並んだタバコの煙。
それは、まるで、文明の末路を告げる狼煙のようだ。
僕は、彼らの後ろを、無言で通り過ぎる。
批判の言葉は、僕の喉に、鉛のように沈み込む。
ジビエの店、おしゃれなカフェ。
文明の華は、ゴミの上に咲き乱れる。
ああ、ふるさとの川案内図よ。
魚はいるのか? 野鳥はいるのか?
桜並木は、春には、この僕を、
美しい幻覚で欺くのだろうか。
人生の道は、折り返し地点。
僕はもう、遠くへは行けない。
今、駒沢通りで、僕は迷っている。
右に行くのか、左に行くのか、それとも、
このまま奈落へと、身を投じるのか。
朝6時に起きるようになった。
それは、眠りという名の死から、
僕自身を引きずり出すための、
小さな抵抗だったのかもしれない。
朝礼という名の舞台で、
僕は毎日、魂のフリートークを披露する。
眠気という仮面を剥ぎ取られた僕の言葉は、
鋭い刃となり、この胸を、
内側から切り裂いていく。
もう、言いたいことなどない。
すべてを出し尽くしたのだ。
僕の言葉は、ただ、目の前のゴミに、
反応するだけの、反射に過ぎない。
18歳の、あの青年よ。
チャットGPTに、人生の課題を委ねる者よ。
暇だ、と君は言う。
ああ、その暇こそが、君の人生を、
無限に広げる翼なのだ。
だが、僕は違う。
僕にとって、時間は、常に足りない。
同世代の者たちが捨て去ったもの、
それを拾い集め、僕は歩いてきた。
それでも、足りない。時間が、足りない。
暇だなんて、感じてはいけない。
暇は、40歳の魂を、絶望の淵に突き落とす毒だ。
僕には、やるべきことが、常に、あるべきなのだ。
グリコチオコレイトパイナップル……。
ああ、なんて愚かな、呪文だ。
誰が、この無意味な言葉を、
次の世代に伝承するのだろう。
人間の文化とは、このようにして、
ゴミのように、積み重なっていくものなのか。
そして、僕はまた、スタート地点に戻ってきた。
公園は、ゴミがない。
まるで、何もなかったかのように、美しい。
だが、僕の心には、
今日拾ったゴミの、無数の傷跡が残っている。
毎週、違う公園へ行く。
それは、ゴミ拾いという名の、
自己啓示の旅なのかもしれない。
中目黒公園、ああ、中目黒公園。
君は、僕に、この世の真実を教えてくれた。
ゴミを拾うことは、
世界を、そして自分自身を、知ることなのだと。
お疲れ様でございました。
音楽は鳴り響き、
僕は、ただ、この無音の世界に、
立ち尽くす。
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