通称「こたつ問題」を決着させるための討議(その3)。討議は、配信をめぐる問題へ。「こたつ問題」を超えて、むしろ批評とメディアの問題が議論され、様々な問題が投げかけられた。電波ラジオ(同期メディア)とポッドキャスト(非同期メディア)は同じではないのでは?その新しいメディアを使いこなせているのか?ラジオという古典的な名前を持つからこそ、公共性が期待されているのではないか?それでは従来の規範に則ったモラルを求めればよいのか?教育者としていかなる発言をするべきなのか?ネット上で発言する意味と、対面する場で発言する意味の違いは何か?Twitterなどの新しいメディアをどう使っていくべきなのか?他者の批評や悪口に対してどう対処していけば良いのだろうか?--―われわれは、おそらく今回の問題を通して、メディアとしての自覚を強めた。このことは深く考えて、今後の方向性に活かしたい。またメディアの状況は変わりつつある。ネットを通して、誰もが情報を発信できる個人メディアを持つようになった。だからこの議論に参加した多くの人は、大かれ少なかれ痛みを感じたかもしれない。もはや観客ではいられなくなったからだ。しかし、われわれは考える。他者の痛みを想像する力こそが求められている。他人の声を理解すること。世の中の声は、自分だけの声ではないこと。だからこそ、今後も複数の声を発信する、ポリフォニーとしての建築系ラジオでありたい(2008年9月28日、建築会館会議室にて)。