・00年代に流行ったセカイ系にまつわる議論。(社会や国といった中間領域がない。私と恋人の話が宇宙の真理のようなセカイと直結してしまう)
・異世界転生モノの共同体回帰。
・トレンディドラマは社会を感じさせない社会派ドラマ?
・後からみるとどの作品も時代の空気から逃れられない。
・身近な社会派ドラマは復活したが、国家や政治との接続はいまだ難しい。
・『ワンダーウォール』が描いた難しさ。
補足メモ
80年〜00年代は社会派という言葉が使いづらかった。フィクションの多くは政治と切り離されたものとして描かれていたが、経済状況もまた、政治や国家が生み出したものだと考えるとバブル景気によって社会と個人がよくも悪くも切り離されているように感じることができた状況は今の視点でみると政治との距離が遠いという政治状況が作られていたと言える。
『テレビドラマクロニクル 1990→2020』はクロニクル(年代記)という体裁のため、歴史的事件や時代背景と個別のドラマ作品との関連を記述する形式となっている。これは後出しじゃんけん的なアプローチなので、すべての作品は時代や政治が生んだものという書き方になってしまう。
この辺りは書いていて悩んだが、今回はあえてそう書いた側面が大きい。
政治の問題が自意識(承認欲求)の問題にすり替わってしまった野島伸司
「お笑い社会派」の堤幸彦と、そのアップデートとしての宮藤官九郎や古沢良太。
正面から社会派ドラマを作ること=ダサいという偏見。
正論をエンタメで語るという難題にあえて挑んだ野木亜紀子。
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成馬零一 twitter.com/nariyamada