成馬零一のラジオ日記

#47 テレビドラマクロニクル補足講義第七回 『おかえりモネ』と現代朝ドラ その3 from Radiotalk


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安達奈緒子という脚本家について

・2011年に放送された月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』の衝撃。

・脚本がテーマ主義的ですべてのシーンに作り手の意味が込められている。

・『リッチマン、プアウーマン』等のフジテレビで作った作品には、ある種の生真面目さがよくも悪くも違和感として残っていた。本来は文学的なものを好む作家でNHKの土曜ドラマのような場所が一番ハマる。(インタビューした際に油断すると『ハゲタカ』みたいな企業間の争いの描写が増えるので、恋愛要素を入れるように言ったと増本淳さんが話していた)

・「生真面目さの根底にある倫理観」が、社会的な良識から派生したものというよりは、安達さんが生きていく中で獲得した倫理感のように感じた。
だから作品によっては、この人はなんで憤っているのだろう? と困惑することもあるのだが、それが逆に気になっていたし、数年後に考えるとこういう怒りはあるな。と逆に納得させられた。
そのあたり社会的な規範を踏まえた上で作品を作っている脚本家『テレビドラマクロニクル 1990→2020』で比較参照した宮藤官九郎、坂元裕二、野木亜紀子とは立ち位置が微妙に違う印象で、だからドラマ史を第一に考えた時に、うまく位置付けることができなかった。今考えると、安達さんのことも書いておけばよかったかなぁと思う。
これは『キャラクタードラマの誕生』の時も思った(当時は作品数が少なかったので重要な作家と思いつつも見送った)。次に何か書く時は、ちゃんとした安達奈緒子論が書きたい。
・最初から作家だと思った。筆者の考える作家の定義「自分に嘘をつかないこと」

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