09.09.2022 - By 笹川日仏財団
ピアノを学ぶにあたって、嫌に思うに違いない、退屈な練習曲。
サン=サーンスは『動物の謝肉祭』の《ピアニスト》で、単純ながら半音ずつ上がっていく音階練習曲を「初心者がおどおどした演奏スタイル」で弾くように、という指示まで書き込んでいます。
ドビュッシーは、「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」というわけのわからない題を付け、一見簡単そうでありながら、指が絡み合いそうな意地悪な音形にしたり、中間部にワグナーの難解な『トリスタンとイゾルデ』をチラつかせたり、と‥。
このふたり、揶揄の仕方は違え、共通しているのは、いずれ劣らぬピアノの超名人であったこと。
【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『子供の領分』より「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」 江澤隆行/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団