フレンチ・クラシック・カフェ

#64 変化に富んだ音符たち-ドビュッシー『海』

10.21.2022 - By 笹川日仏財団Play

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『海』のオーケストラスコアを俯瞰すると、今までの規則通りに整然と並んでいた音符たちとは全く違う音型/配列で、とても変化に富んでいます。

それは、取りも直さず、ドイツ的な起承転結で均整の取れた機能和声ではなく、むしろそれまで禁則とされていた和声の並行五度/八度の使用、教会旋法や不安定な増音程などを多用していることで、すっかり違う風景になってしまっているのですね。

初演にあたって、指揮者のカミーユ・シャヴィヤールのみならず、オーケストラの奏者たちも、画期的ではあれ、あまりに革新的なドビュッシーの書法に、直ぐに対応出来なかったであろうことは、想像に難くありません。

【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『海』第1曲「海上の夜明けから正午まで」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

    イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

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