人類学者の目

#7 生徒と一緒に、フィールドに飛びこむ(前編)【ゲスト:山手浩輝】


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【ゲスト】

山手浩輝(やまてひろき)

教員として富山県立入善高等学校に勤務しながら、同校の観光ビジネスコース立ち上げの中心を担ってきた。このコースは参与観察型のフィールドワークを重視している。学部時代には人類学を専攻し、教員として働き始めてから入った金沢大学大学院では「障害が作られているとき―モノが作るつながりについて」と題した修士論文を執筆した。

【出演】

比嘉夏子・水上優(メッシュワーク)

【今回の内容】

周辺高校との合併を機につくられた観光ビジネスコースの主任になった山手さん/人類学専攻だった学部時代、レイヴ・ウェンガーの学習論に触れた/教員になって初めて勤務した特別支援学校で現場に巻き込まれながら、ぼんやりここをフィールドにすればいいのか、と考えるように/普通高校で教え始めてから、金沢大学大学院の修士課程へ/人とモノのひしめく特別支援の現場を、アクターネットワーク理論に寄せて分析した修論/博士課程でのフィールドワークがコロナ渦で難しくなり悩んでいたところで、観光ビジネスコース立ち上げの声が掛かった/仕事と学問を分離していたが、コース立ち上げを人類学の実践と繋げられるかもしれない、と思うように/新しいコースではフィールドワークをさせたい、という予感/コンビニが「ない」銀行が「ない」、「ない」ことに注目する生徒たち/「ない」を「ある」に変えるという物語の響きの良さと、そういった課題解決への疑問/地域の人たちをただの「ネタ」にはできないという意識が生徒たちにはある/教育者的な大人ではなく、全然関係がない話を延々と聞かせてくる地域の大人との出会いで、生徒がフィールドで「ぼろぼろ」になるほうが、嬉しい/まとめるな、全部吐き出せ/言語化された知識を与えるより、その話面白いじゃん、もう一度行ってきなよ、と生徒の背中を押すのが山手さんの役割/一生進む道を決めるより、何かに応答し自身を変化させる姿勢を獲得してほしい

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人類学者の目By 合同会社メッシュワーク