フレンチ・クラシック・カフェ

#71 精緻なる音絵巻-ラヴェル『ダフニスとクロエ』

12.09.2022 - By 笹川日仏財団Play

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「スイス製の時計のような...」という、ストラヴィンスキーの言葉を借りるまでもなく『ダフニスとクロエ』のスコアに書き込まれた音符の精緻さは、あたかも点描の絵画から朧(おぼろ)げな輪郭が浮び上がるように綿密に計算されて並べられいて、全曲版の分厚いスコアを俯瞰して湧き上がって来る音は、絵巻物を見ているようです。

作曲を依頼したディアギレフは、その情景の色彩のみならず、均一ではない空気の漂いや淀みまでを感じさせ、音符という記号の積み重ねでそれを体現するというラヴェル素晴らしい能力をここまで予見していたのでしょうか。

【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第3場「夜明け」 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

    イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

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