フレンチ・クラシック・カフェ

#74 ふんわり展開する循環形式-フランク『交響曲ニ短調』

12.30.2022 - By 笹川日仏財団Play

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ハイドン、モーツァルトと伝統的に踏襲されてきた、機能和声の立体感のあるスクエアな構築性の拡大とも取れる4楽章形式の交響曲。ベルリオーズなどの例外はあるものの、その枠の中に止まる、あるいは留まらざるを得ない必然性があったのでしょう。

しかし、フランクに至って、4楽章の四角い立方体から、主題が繰り返し現れる循環形式の3楽章三角錐の重なりのようなシンメトリーな形に変容します。音楽的な盛り上がりも楽章の終わりを目指すのではなく、山の峰を俯瞰するが如く、多様に調性やオーケストレーションを替えて、繰り返し繰り返し現れます。

【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第三楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏

    イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

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