味噌汁や酢の物などの具材としても、馴染みがあるワカメ。季節を問わず食べることができますが、ワカメの旬は春です。海の中から春が来たことを教えてくれる食材です。
ワカメは太陽の光が届きやすい浅瀬の岩の上に付着して生息しています。全国の広い範囲で自然に生息していますが、日本ではワカメの養殖も盛んです。東北地方の三陸海岸や西日本の瀬戸内海など波の静かな湾で養殖され、収穫量の上位は宮城県、岩手県、徳島県などとなっています。
ワカメは「1年草」の海草で、海水温の低い冬場に成長し、2月から5月にかけて収穫期を迎えます。また、暑さに弱いため、夏場は休眠に入り、秋になり水温が20度以下になると休眠から覚め、成長していくそうです。
このように、ワカメの成長には冷たい海水が欠かせませんが、近年の地球温暖化で海水温が上がると、ワカメの生産量にも影響がでます。日本近海では2019年までのおよそ100年間で平均海面水温が1.14度上昇しています。瀬戸内海で養殖されている徳島県の「鳴門わかめ」も海水温の影響を受けていますが、高水温に強いワカメの新しい品種を作ることで気候の変化に対応しています。
また、ワカメは温暖化の影響を直接受けているものの、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収する生き物として注目を浴びています。森に木を植えるのと同じように、海にワカメなどの海草を育て、美味しく食べることは地球環境を守る取り組みの一つにもなっています。
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