人類学者の目

#8 生徒と一緒に、フィールドに飛びこむ(後編)【ゲスト:山手浩輝】


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【ゲスト】

山手浩輝(やまてひろき)

教員として富山県立入善高等学校に勤務しながら、同校の観光ビジネスコース立ち上げの中心を担ってきた。このコースは参与観察型のフィールドワークを重視している。学部時代には人類学を専攻し、教員として働き始めてから入った金沢大学大学院では「障害が作られているとき―モノが作るつながりについて」と題した修士論文を執筆した。

【出演】

比嘉夏子・水上優(メッシュワーク)

【今回の内容】

ランダムな語り、関係性のなかに放り込まれた高校生は変わるのか?それとも彼らの本性が引き出されるのか?/主体性や積極性は教育現場だけでなく、大人にとっても呪縛/中等教育の探究活動ではフィールドは、情報を拾い集めるために対象化されることもしばしば/教育の材料としての地域にとどまってはいけない、という危機感/山手先生が刺激されたインゴルドは“Anthropology as/of education”(未邦訳)で、人類学は教育、とはっきり言っている/「まとめるな」ってラディカル/民族誌はまとめて閉じるから、その先の世界に広がらない/生徒にとって高校生活は三年間でも、地域との関わりは一生続く/researchはsearch&search&searchだから問いもテーマも、どんどん変わってほしい/大学院入試で失敗したのは自分のフィールドに気づけなかったから。気づけなかったのは、充分に迷えなかったから/進路を「決めろ」と言われるばかりで「迷え」と言われたのは初めて、と保護者/「迷ってもいい」ではなく「迷ったほうがいい」/現在の制度で別様の可能性を探ることで、制度そのものも変えてくれるかも、という期待がある/生徒たちに文庫本はなくても、フィールドがある/偏差値で輪切りされたら地域間で差ができるけど、それをひっくり返したい/トンガもぱっと見、分かりやすい何かはない、でも実は「ある」/「あれもないこれもない」と言い続けるよりも「ある」を見つける眼を持つこと

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人類学者の目By 合同会社メッシュワーク