4月になれば彼女は
文藝春秋
川村元気
今回はBOOK・OFFで購入した本。
タイトルからして切ないお話かと思ったら、予想を遥かに上回って心がギュッてなった。
おっさんが言うのも気持ち悪いが笑
元カノからの手紙、その意味を深く考えようとしない主人公。
しかし、思い出が蘇る度、婚約者への愛を疑い始める。
婚約者の妹が感じた子供への感情はすごく共感できる。
精神科医である主人公は、人に相談することで自分の気持ちを整理しようとするが、ギリギリまで動けないでいる。
愛とは何か、結婚とは何かをずっと問いかけられる作品。
人を本気で愛した時に、愛される事の意味を知る。
最後の最後まで胸を締め付けられるけれど、読み出したら止められない。
受けた感情がなくなる前に読み切ってしまいたかった。
大切な人をもっと大切に思いたくなる。
それだけでなく、死生観についても考えさせられる。
そんな素晴らしい作品でした。