清洲会議
幻冬舎
三谷幸喜
始まりは織田信長が本能寺で炎に囲まれながらのシーン。
もちろん、ここに書かれていることが本当かは分からないが、さすが三谷幸喜と思える言葉選び。
ただ、その当時の気持ちだけでなく現代からの視点も含めて表現されているのが面白い。
戦上手の柴田勝家
勝家と盟友で頭のキレる丹羽長秀
狡猾な羽柴秀吉
とにかく合理主義な池田恒興
ひたすら道化として描かれる滝川一益
議長を務める前田玄氏
きゅーきゅーこと堀秀政
暗躍する黒田官兵衛
やはりカッコイイ前田利家
かなりのキーパーソン 寧
情けない織田信雄
実力はあるのに最後に苦虫を噛む織田信孝
隠居は譲らない織田信包
そんな性格だったのかと驚いたお市の方
最後の最後で本性を表す松姫
何も知らずに利用される三法師
とにかく、全員のキャラが濃ゆい。
同時並行で各々の心理が描かれる。
思惑、愛情、苦悩、悪意、決して綺麗なものでは無いが、その当時が頭に浮かぶ文章。
当時の史実を曲げない程度に三谷ワールド全開
5日間の話が250ページ以上に渡って描かれるが、決して飽きない展開。
今生きてる時代は全ての偶然や思惑があって成り立っている。
良いか悪いかではなく、この流れがあって初めて今がある。
対局を見て動ける才能は現代でも重要なので、自分も身に付けたい。
読んだ後、お腹いっぱいと感じるくらいのボリューム。
是非1度手に取って頂きたい。