田舎坊主の読み聞かせ法話

「従姉妹からの拙書読後感」エッセイ「田舎坊主の合掌」


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従姉妹から拙書三冊の読後感をいただいた

「三冊ともすぐ読ませていただきました。難病患者にとって読み手への優しさが伝わってきました。

早くからふる里を遠く離れた私にとって、この本を読むことがなかったら、良恒ちゃんの人生を知ることもなかったでしょう。

二作目の『田舎坊主の愛別離苦』の中にあなたが憲法九条を守ること、平和の大切さを書いてくれていました。

私は少し絵を描いているのですが『美術九条の会』また『平和美術展』というのがあります。

微力ですが私も平和を守ることの大切さを絵の恩師から教えられました。」

 その後何度となく電話で話し合いました。

その彼女は難病の悪性関節リウマチの影響で腰痛がひどく、足指の変形で靴が履けず、目の炎症も悪化し見えなくなる前の要手術状態だったのです。

さらに病弱の夫と母親の介護と看病の日々、周囲からはとても絵が描ける状態に見えないなか、

それでも「絵を通して平和を」の信念から描き続けていたのです。

その従姉妹が昨年暮れ亡くなったことを弟さんから知らされたのです。急逝だったことを聞いて驚くとともに、彼女の人生を思うと胸が詰まされました。

今年松の内も明けた頃、その従姉妹の姉から電話がありました。妹の死の報告とともに長い電話になりました。

生前に妹から私の「田舎坊主の闘病日記」を読むことを薦められ、その時、電話番号を教えてもらっって連絡をくれました。

 その姉は両親の猛反対を押し切って両腕欠損の病弱男性と結婚し、その後、声を潜めて生きてきました。

私の本を読んではじめて私の半生を知り、堰をきったように話してくれました。

そして最後に、私が作った「仏前のおつとめ」奥付の部分、

 ・そのままで結構ですと喜びましょう

 ・人、世のために奉仕しましょう

 ・有り難い、有り難いと腹から唱えましょう

 これらをいつも暗唱していると言って、ありがとうと電話を切りました。

   *

 年末年始、「生きる」ということを考えさせられました。

 長く生きることは大切なことでしょう。

 でも長さではなく、

 ・何をしてきたのか(奉仕したのか)

 ・どう生きているのか(感謝はあるのか)

 ということも大切な生き方だと思うのです。

 これからもお不動さま、お薬師さま、観音さまに「難病患者のお心に寄り添って下さい」と祈り続けていこうと思います。

 私にはこれぐらいのことしかできないのですから。

合掌


和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺

不動坊 良恒

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田舎坊主の読み聞かせ法話By 田舎坊主 森田良恒