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奥さまポッドキャスト小説【キッツン&ツッキー(34)】:「なあ…」つまらないワイドショーを見ながらツッキーが呟く。『んー…なにー?』携帯の数独アプリを触りながらキッツンは間抜けな声で答える。「俺たち一緒に暮らしてどんくらいだっけ…」加熱式たばこを吸いながらぼやけた声で問いかける。『んー…3年くらいじゃね?』視線は携帯画面から離れないまま、間抜けな声の答え。「そろそろいいだろ…」頭を後ろにもたげて工場の煙突から吐き出す様にもくもくと煙を出しながらぼやけたままの声で呟く。『何をだ?……ああ!クソっ!また詰んだ!!』携帯をテーブルに投げ出し、背伸びとしながら情けない声と共に後へキッツンは倒れ込んだ。「…俺からの質問の答え、まだ貰ってないぞ」『こないだ言ったろ?』「その答えじゃねぇよ…最後の質問だっつーの…」ツッキーは仰向けになっているキッツンの顔に触れるギリギリの位置で言った。互いの吐息が唇に触れる。『待ってくれ…』キッツンは右手でツッキーの口元を押さえつけ、表情を強ばらせる。「俺の気持ちは前に伝えた…いい加減お前の答えを聞かせてくれ…」ツッキーは口元を押さえつけてるキッツンの右手を優しくずらすと、右人差し指でキッツンの頬を、鼻を、唇をゆっくり撫でていく。『もう少し待ってくれ…まだ整理がついてないんだよ…』ツッキーの右手を自分の左手に絡めながら静かなトーンで答えた。キッツンの内包している葛藤が邪魔をする。本当は今すぐ長く留めていた質問を答えて終わらせてスッキリしたい。でも言えない。この関係が、生活が全て変わってしまう――――【続】
奥さまポッドキャスト小説【キッツン&ツッキー(34)】:「なあ…」つまらないワイドショーを見ながらツッキーが呟く。『んー…なにー?』携帯の数独アプリを触りながらキッツンは間抜けな声で答える。「俺たち一緒に暮らしてどんくらいだっけ…」加熱式たばこを吸いながらぼやけた声で問いかける。『んー…3年くらいじゃね?』視線は携帯画面から離れないまま、間抜けな声の答え。「そろそろいいだろ…」頭を後ろにもたげて工場の煙突から吐き出す様にもくもくと煙を出しながらぼやけたままの声で呟く。『何をだ?……ああ!クソっ!また詰んだ!!』携帯をテーブルに投げ出し、背伸びとしながら情けない声と共に後へキッツンは倒れ込んだ。「…俺からの質問の答え、まだ貰ってないぞ」『こないだ言ったろ?』「その答えじゃねぇよ…最後の質問だっつーの…」ツッキーは仰向けになっているキッツンの顔に触れるギリギリの位置で言った。互いの吐息が唇に触れる。『待ってくれ…』キッツンは右手でツッキーの口元を押さえつけ、表情を強ばらせる。「俺の気持ちは前に伝えた…いい加減お前の答えを聞かせてくれ…」ツッキーは口元を押さえつけてるキッツンの右手を優しくずらすと、右人差し指でキッツンの頬を、鼻を、唇をゆっくり撫でていく。『もう少し待ってくれ…まだ整理がついてないんだよ…』ツッキーの右手を自分の左手に絡めながら静かなトーンで答えた。キッツンの内包している葛藤が邪魔をする。本当は今すぐ長く留めていた質問を答えて終わらせてスッキリしたい。でも言えない。この関係が、生活が全て変わってしまう――――【続】
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