この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。
今回も、山梨県の土着スーパーの元社長の小林久さんをゲストにお招きし、小林さんのご著書、「続・こうして店は潰れた」の内容にもとづき、小林さんのスーパーマーケット経営者としてのご経験をお伺いして行きます。
今回は、小林さんが、やまとの事業を拡大させていった後から、業績が低下していった経緯についてお伺いします。
小林さんが、やまとの事業を拡大していった結果、多くのマスコミから注目を集めるようになったそうです。
さらには、小林さんご自身も、山梨県の教育委員長に就任したことなどから、小林さんたちに批判的な人や、敵対心を抱く会社も増えて行ったそうです。
そのため、大手スーパーの中には、あえて、やまとの店の近くに新規出店し、やまとの顧客を奪おうとする会社もあったそうです。
また、やまとは居抜き出店していった結果、必ずしも採算の合う店ばかりでなかったうえに、それぞれの店の規模が300~500平方メートルと、バラバラであり戦略的な事業展開ができなかったことから、やまとは再び赤字に転落してしまったそうです。
そこで、小林さんは、やまとに融資をしている金融機関に対して、事業改善計画書を提出し、リスケジュールを依頼して、応諾してもらったそうです。
また、消費税、社会保険料、電気料なども、分割払いや支払の延期などを要請し、資金繰の改善を進めて行ったそうです。
さらに、小林さんが社長に就任したのち、やまとに新たに食品を卸してくれていた会社へも、取引開始時点では、やまとに協力的であり、商品仕入代金の繰延に応じてもらえたそうです。
ところが、その後、その卸売会社が、大手商社の完全子会社になったことから、やまとに対して非協力的になってしまったそうです。
その卸売会社へ、親会社から出向してきた社員は、小林さんに対して、毎日、代金の支払を電話で督促してきたりしたころから、小林さんは精神的に追い詰められていったそうです。
さらに、他の卸売会社も、保証金の要求、代金支払期間の短縮、取引額の縮小・解消を要求されるようになったそうです。
そのような状況が続いていたところ、2017年12月6日の朝、小林さんへ、やまとのある店の店長から電話がかかってきて、その日、納品されるはずの商品が届かず、卸売会社の間ではやまとが倒産するとの噂がでていということをきいたそうです。
このようにして、信用不安により、やまとは操業を停止し、105年の歴史を終えることになったそうです。