午後の日差しの中にFは佇んでいる。赤く錆びた体を誰に憚る事もなく。昨日の憂鬱も今日の喜びも、明日の天気すら気にも止めず。すべてを受け止めて、僕をまた目的地へと運ぶ為に。いつもいつもありがとう。ただ僕はFが彼なのか彼女なのかすら知らない。どうでもいいと言うように、Fは風にカラカラと鳴いてみせた。また走り出す明日を、ただひっそりと待ちながら。たまたま通りすがりに見かけた、自転車からの妄想曲です（笑）。