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高橋博之の歩くラジオ#156 |ゲスト:佐藤大祐(農林水産省職員/秋田県庁出向中)


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秋田県庁に出向中の農林水産省職員の佐藤大祐さんをゲストにお招きし、歩きながら1時間、対談する。  


佐藤大祐/1984年、長野県須坂市出身。農林水産省職員、秋田県庁出向中。

小学校から現在に至るまで、卓球に没頭中。特に、札幌で過ごした大学時代は1日平均10時間の練習に励み、一日のほとんどを卓球に当てる生活を続けてきた。周囲の友人が就職活動を始めた頃になっても、卓球で全国を目指す夢を諦めきれず、卓球オンリーの生活を継続。大学4年の夏、最後のチャンスとなった大会にて、11枠の11番目というギリギリながら、人生初めての全国大会出場を果たした。

その頃、ようやく将来の仕事について考え始めたところ、夕張市が財政破綻するというニュースに大きな衝撃を受ける。夕張市に足を運び、地元の方と会話をする中で、ムラが消えるということについて、考え始めるようになる。夕張市で感じた不安を抱きながら、地元の山奥の集落を巡ってみることにした。ムラは消えていなかった。そこで出会った人々、風景が、「中山間地域の奥の奥にあるような集落の火を、未来につないでいけるような仕事がしたい。」という気持ちを決定的にした。

その時に訪れた旧中条村(現長野市)の伊折集落で出会った有機農家の久保田清隆さんとは、今も交流を続けており、国土交通省に出向していた2018年には、集落内の全ての土地を守ることは難しい中で何を守っていくか、という先例のないテーマでのモデル的な話合いを伊折集落で実施させていただいた。その後、伊折集落では、中山間地域等直接支払の取組が10年ぶりに復活するなど、新たな動きが確実に生まれはじめている。コロナ禍でしばらく足を運べていないが、これからも伊折集落の「関係人口」として、ともに地域づくりを担っていきたい。

また、伊折集落と出会ったのと同じ頃、1つの新聞記事が目にとまった。食べ手と作り手が一緒になって、食と農を支えるCSAに取り組んでいる宮城県旧鳴子町(現大崎市)の鳴子の米プロジェクトの特集であった。どんな地域なんだろうと気になり、帰省の途中(青春18きっぷ)で少し寄り道をし、地元農家に話しかけてみたところ、いきなり第1村人が鳴子の米プロジェクトの上野理事長であった。

農林水産省内定後の秋に再訪し、上野家に約1ヶ月泊まり込みで稲刈り・杭がけ(刈った稲を天日干しする作業)を手伝いながら、鳴子の米プロジェクトの理念を学んだ。この経験を基に、消費者庁出向時代の2013年に、消費者基本計画にエシカル消費の概念を書き込み、消費者を保護するという視点だけでない新たな施策領域を創った。

前職では、農村振興局で新たな食料・農業・農村基本計画の「農村」部分の策定に携わるとともに、計画を実際の政策に落としていくための検討に奔走してきた。現場での経験や、本省での経験を活かしながら、秋田県の農山漁村の未来のために自分が何ができるのかを日々模索中。秋田県での日々の暮らしは本当に楽しく、娘との登山に行ったり、家族で色々な場所にお出かけしたり、県内の高校に卓球に武者修行に行ったりと、充実した毎日を過ごしている。

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ポケットマルシェ代表の高橋博之が、社会を“生きる“ゲストと対談する「高橋博之の歩くラジオ」。ゲストのみなさんは、農家・漁師、起業家、研究者、行政官、メディア、NPO、学生……と様々な立場から、自分たちの生活する場、自分たちの生きる社会をよりよくしていこうと、熱い想いや強い志をもって働きかけている方々です。

「高橋博之の歩くラジオ」では、あらゆる角度から社会についての議論が交わされ、心に響く言葉が生まれています。自分の“生きる“日々を振り返って、ちょっと立ち止まって考えたり、背中を押してもらったり。このラジオが、そんなきっかけになることを願っています。

「高橋博之の歩くラジオ」はポケマル公式Facebookページ、YouTubeチャンネルでも日々配信中です!

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