ポケットマルシェ(ポケマル)

高橋博之の歩くラジオ#163|ゲスト:秋庭寛子(秋葉農園/茨城県古河市)


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茨城県古河市で農業を営む秋葉寛子さんをゲストに招きし、歩きながら1時間、対談する。


秋庭寛子(あきばひろこ)/1985年、埼玉県に生まれる。何を見てもいいね、素敵だね、すごいねとしか見れなくて、いつも傍観者。イエスマンの自分は何て個性がないんだろうと思っていた小学生時代。欲しいものは手に入り、幸せなのだけど、小学生時代はたまに私は本当に生きているのか、という不安になることも。とにかく人が好き。笑っている顔が大すき。それ以外は何でもいいから合わせちゃう。おばあちゃんちとお庭で、ちっちゃな山野草をボーッと眺めてる子供。好きなことは食べることくらい。

農業に触れる機会はなく、周りにもいなかった。休みの日は、田舎好きの父と、茨城や群馬、栃木にドライブに行ったりしていた。8歳のとき、初めて自分から興味を持ったのは、家にある本棚のナショナルジオグラフィックという地球の素顔を伝えるビジュアル・マガジンがあって、子供でもわかる写真だらけの雑誌。どれも小難しくって、興味がなかったのだけど、ミイラの特集で、ミイラ保管にスパイスが使われていた写真や、それをこするとその香りがするという巻が、大好きで、いつも持ち歩くほど。  10歳になり、夏休みに遊びに行った避暑地で、夫婦で営むペンションで、ハーブのサラダやお菓子、畑からとれたて野菜で作る料理の香りと美味しさ、癒される場所作りに憧れる。将来の夢は「ペンションのマダム」になる。13歳、いつもニコニコこだわりがなく周りに合わせてばかりの「主体性のなさ」に嫌気がさし、スラムダンクの桜木花道に憧れ、中学デビューし、桜木花道の真似をしてたら、人気者になり、ギャルグループに所属。元気で明るい活発な子になる。その頃、藤原新也さんの「メメントモリ」という写真集を見て、衝撃をうける。インドの河原で、人の死体を犬が食べている写真に、平和ボケしている頭がショックをうける。キャプションの「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」が心の奥底に残る。

キラキラの女子高生ライフを送るべくして、高校デビュー。笑いすぎて肺炎になる程。文化祭や体育祭の実行委員になって燃える。続いて、キラキラの女子大生ライフを贈るべくして、都内で大学デビュー。ひとり暮らし、おしゃれ、飲み会、サークル、バイト、学生生活。楽しい反面、目まぐるしい慣れない毎日で半年間不登校に。そのころ、読んだ沢木耕太郎の「深夜特急」という小説に触発され、ひとり東南アジアへバックパッカー旅に出る。いろんな国、街や田舎、色々と彷様ようも、安宿で出会う人全てが面白くってたまらなくて、安宿で働きたくなる。

ベトナムの古都フエのにたどり着く。古い建物や、ひたすら田んぼの風景、手作り雑貨の可愛さ、とりたて美味しい食べ物が気軽に食べれる、とても気に入り、将来はこんなところに住みたいと思う。大学に戻り、染め織りを専攻。手作りの自然の素材で生活を豊かにする術として学ぶ。乾燥している草木染めの素材で、糸を染める時の香りや色の美しさに惚れる。  流れるままに、就職活動。お給料が良い海外営業の仕事にすぐ決めて、さぁ!働くぞと働く直前に行った会社訪問で、喫煙所でため息をつきながら、まゆにシワを寄せた顔の人が多くて、楽しく笑いながら働きたかったので辞退。自然素材の建築リフォーム会社に入社。事務や受付、雑貨スペース、ワークショップ担当。先生に来てもらい、ハーブティーワークショップの際に、植物の色と香り、味わいにふれ、感動する。休みの日に先生のもとに通い勉強し、ハーブティーにどっぷりハマる。

会社が埼玉県の有機農家さんのサポートをしていて、毎月お米を買い取って食べていた。田んぼのお手伝いに行って、田んぼの景色や、泥だらけになって汚れても、気持ち良い感覚が残る。アクティビティーとしての農体験が、好きになる。25歳のとき、東日本大震災があり、何もできずに部屋の中で震えている自分。守られるばかりで、お洒落に着飾ってばかりで何もできない。悔しくて無力さが歯痒かった。傍観者はもう嫌だ。シェアハウスにいる挑戦しているメンバーの姿に後押しされ、私だから人に価値提供できる何かを探すために転職。本質は何。本物は何。

いつ何があるかわからないから、ハーブティーの仕事をしてみたい。つてで、東銀座のビーガンレストランに入った。ハーブティーの商品作りや、個人でハーブティーのブレンドを依頼されるようになる。接客大好き人間ということに気づく。とれたてを農家さんから受け取り、料理としてだす。素材そのものの生き生きとした美しさ美味しさに感動。農家の人と結婚してハーブ農園やりたいが口癖。その頃、近くのレストランで働いていた夫に出会い、意気投合し付き合う。実家に遊びに行った時に、生の畑のミントに触れて、香りの素晴らしさに感動し、農家をやってみようと考えている夫に賛同し、結婚。年子男子を出産し、下の子が1歳になったのを機に、移住し夫婦で新規就農した。そこからは、本当にあっという間に、目の前のことをとにかく全力でやってきたら、気づいたら6年経ちました。

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ポケットマルシェ代表の高橋博之が、社会を“生きる“ゲストと対談する「高橋博之の歩くラジオ」。ゲストのみなさんは、農家・漁師、起業家、研究者、行政官、メディア、NPO、学生……と様々な立場から、自分たちの生活する場、自分たちの生きる社会をよりよくしていこうと、熱い想いや強い志をもって働きかけている方々です。

「高橋博之の歩くラジオ」では、あらゆる角度から社会についての議論が交わされ、心に響く言葉が生まれています。自分の“生きる“日々を振り返って、ちょっと立ち止まって考えたり、背中を押してもらったり。このラジオが、そんなきっかけになることを願っています。

「高橋博之の歩くラジオ」はポケマル公式Facebookページ、YouTubeチャンネルでも日々配信中です!

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