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高橋博之の歩くラジオ#164|ゲスト:永山源太郎(永山酒造杜氏/山口県山陽小野田市)


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創業134年、山口県山陽小野田市で代々続く「永山酒造」の杜氏(山口県最年少)、永山源太郎さんをゲストにお招きし、歩きながら1時間、対談する。戊辰戦争の遺恨を乗り越え、東日本大地震から10年経った今も「福島酒米復興プロジェクト」を継続。福島で栽培した酒米を、山口で仕込み、商品化、販売している。永山酒造は2017年度から福島産米の利用を拡大し、全国の酒蔵に福島産米の使用と商品化を呼びかけてきた。福島の農業復興を、酒造会社の立場から支援し続けている。


永山源太郎/1992 年生まれ。29 歳。永山酒造合名会社 杜氏。山口県山陽小野田市出身。東京農業大学 醸造科学科卒。今年で創業 134 年、山口県山陽小野田市の酒蔵「永山酒造合名会社」に長男として生まれ、 現在山口県最年少の杜氏として日本酒「山猿」を醸している。

地元の高校を卒業後、東京農業大学 醸造科学科に進む。実家が酒蔵だからというのもあるが、小さいころから発酵や微生物に興味を持ちながら育ったことがこの学科に進んだ一番の要因。東京農業大学醸造科学科は、日本酒蔵・焼酎蔵・醤油屋など、実家で発酵関係の家業を営んでいる息子・娘、またその分野に興味のある生徒が一堂に集結する特殊 な学科。自分と同じ境遇の多くの仲間と初めて出会い、一緒に学び刺激しあう中で「私もこの業界で生きていこう」と思いを強くした。

大学卒業後は島根県の酒蔵で2年間修行。机上の酒造りではない実践的な酒造りや、今の時代に合った酒蔵の働き方などを学ぶ。あと数年修行予定であったが、実家の永山酒造で日本酒を醸していたベテラン但馬杜氏(80 代)が「もう引退しようと思う。源太郎を呼び戻してくれ」と引退宣言。急遽 4年前に実家の永山酒造に入社。1年間ベテラン杜氏のもと酒造りの引継ぎをして、3年前に山口県では最年少となる杜氏に就任。

前杜氏の時代は「季節杜氏制」といって、全国各地に点在する杜氏組合から、酒造りが行われる冬だけ酒蔵に杜氏と蔵人が来社しお酒を仕込み、春になると地元に帰っていくという昔ながらの酒造り体制だった。ベテラン杜氏が来なくなるということは酒造りのスタッフがいなくなるということなので、杜氏をはじめた3年間は本当に0からのスタートだった。前体制と新体制で蔵人の平均年齢が 30 歳若返るという急速な体制変更が行われ、今年で新体制 3年目。無事に全国新酒鑑評会 金賞など様々な賞を毎年受賞し、なんとか若手主導の新体制が軌道に乗ってきた。

前杜氏から受け継がれた「伝統的な酒造り」を継承しつつ、新たな酒米や酵母の採用など新しい要素を取り入れながら酒造りをしている。「農業と共に生きる」というテーマのもと農家さんと直接コミュニケーションを取りながら、完全契約農家栽培の酒米を使用。幻の酒米「穀良都」の復刻や、「福島酒米復興プロジェクト」への参加など、農業と酒造りの密接な関係を再確認しながら、4期目の酒造りが始動する。

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ポケットマルシェ代表の高橋博之が、社会を“生きる“ゲストと対談する「高橋博之の歩くラジオ」。ゲストのみなさんは、農家・漁師、起業家、研究者、行政官、メディア、NPO、学生……と様々な立場から、自分たちの生活する場、自分たちの生きる社会をよりよくしていこうと、熱い想いや強い志をもって働きかけている方々です。


「高橋博之の歩くラジオ」では、あらゆる角度から社会についての議論が交わされ、心に響く言葉が生まれています。自分の“生きる“日々を振り返って、ちょっと立ち止まって考えたり、背中を押してもらったり。このラジオが、そんなきっかけになることを願っています。

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