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高橋博之の歩くラジオ#181|ゲスト:田中由起枝(山口県萩市教育委員会/中学校英語教師)


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コミュニティ・スクール先進県、山口県を代表するコミュニティ・スクールの取り組みを実践してきた教師、田中由起枝さんをゲストにお招きし、歩きながら1時間、対談する。

田中由起枝/山口県山陽小野田市出身。1971年生まれ。島根大学法文学部卒、山口大学教職大学院卒。島根大学では英米文学を学び、中・高の免許(英語)を取得。教育実習は山陽小野田市の母校へ。実習後、教職に魅力を感じ、山口県の高校教員の採用試験に挑戦するも不合格。大学卒業後は、山陽小野田市立厚狭中学校で1年間、臨時採用教員として勤務し、中学生と関わることの魅力にはまる。思春期どっぷりの、あまり年齢も違わない子どもたちに関わることはとても大変だったが、毎日「生きてる!!」というと実感をしてした。その年、中学校の採用試験に合格し、新規採用で萩市に着任。それ以来、今度は萩市の魅力にはまり続けている。

萩で偶然出会った夫が、萩大島の漁師であったため、結婚を機に萩大島に移住。主幹産業が漁業である萩大島には、28年間続く「漁業体験・海の幸体験学習」という独自のカリキュラムがあった。元々は漁協からの「魚食文化を普及したい」との願いで始まった体験学習。当初は漁協女性部の方が学校を訪問し、家庭科の調理実習の一環としてスタート。時代と共に形を変え、現在では、中学生が地元の漁師さん共に定置網に赴き、魚を水揚げする。その様子を他の児童生徒は数隻の漁船に乗り込み、見学する。出漁前に水氷を作るところから始まる。港に戻ると、全校児童生徒で魚の仕分けをする。漁協女性部の方から教わり、鯵とイカを小5から中3の児童生徒で捌き、調理する。メニューも児童生徒が決める。

平成29年度から、大島小中学校では、子どもたちに身に付けさせたい資質能力として特に「主体性」「関わる力」「粘り強さ」の育成を目指している。この3つの力について、児童生徒、教職員、保護者、地域の方々とも共有し、様々な教育活動に取り組んでいる。そのため、より主体性を育むために、平成30年度から漁協さんとの企画・運営に中学3年生が参画するようにしている。共有する場は、定期的にあるコミュニティ・スクールの学校運営協議会。学校運営協議会には、生徒が参加することもあり、保護者や地域の方々ともに、例えば「萩大島の美しい環境づくり」について熟議をしたり、学校と地域のSWOT分析を行ったりしている。平成30年度には、このSWOT分析の結果を元に、「ふるさと大島学習~萩大島魅力化プロジェクト〜」のカリキュラム作成に活用した。

現在は、中学校で英語教師を務めながら、萩市教育委員会に勤務(3年目)。萩大島での実践のエッセンスを萩市全体に広める取組を進めている。萩市は小中学校を統廃合せず、小中一貫教育校として、中学校区ごとの地域の特色を活かさした教育活動を展開してきた。大島小中学校は漁業学習の拠点校として、地域の願いやニーズを学校教育に取り入れてきた。そういったこれまでの取組を、平成29年度にキャリア教育の視点(身に付けさせたい資質・能力)から捉え直したものが、『萩大島ふるさと創造科』。特設の教科ではなく、既存の教育活動の内容を資質・能力の点からリノベイトしたもので、何より子どもたちの想いや意見を学びに反映させることを大切に進めた。

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ポケットマルシェ代表の高橋博之が、社会を“生きる“ゲストと対談する「高橋博之の歩くラジオ」。ゲストのみなさんは、農家・漁師、起業家、研究者、行政官、メディア、NPO、学生……と様々な立場から、自分たちの生活する場、自分たちの生きる社会をよりよくしていこうと、熱い想いや強い志をもって働きかけている方々です。

「高橋博之の歩くラジオ」では、あらゆる角度から社会についての議論が交わされ、心に響く言葉が生まれています。自分の“生きる“日々を振り返って、ちょっと立ち止まって考えたり、背中を押してもらったり。このラジオが、そんなきっかけになることを願っています。

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