ファンベースマーケティングで妻の実家の農業を立て直す功刀隆行さんをゲストにお招きし、歩きながら1時間、対談する。

功刀隆行（専業農家/山梨県中央市/1984年生まれ）  結婚した妻の実家は山梨のトマト農家だった。隆行さんは結婚後、その農場を訪れた。採れたてのトマトの美味しさに感動したが、過酷な労働と厳しい経営の実態を知った。義憤に駆られた彼は「オレがなんとかしてあげたい」と、義父の反対を押し切り、脱サラして農家になった。  僕と隆行さんとの出会いは2年前。47キャラバン山梨に夫婦でやってきた。その後、初めてのクラウドファンディングに挑むも、プラットフォーム側から「目標金額が高過ぎる。農業分野には無理だ」と言われた。「悔しくないか。見返してやれ」と檄を飛ばした。残り2日で、「やれることはぜんぶやったけど達成できそうにない」と泣き言。「達成できなかったらお前には二度と会わない」と最後通告すると、見事600％達成。その後、プラットフォーム側にも認められ、さらに目標金額を上げて2度のクラファンに成功。今、4度目のクラファンに挑戦中（クラファン開始前夜に僕と会ってしまい、目標金額を倍に引き上げることに）  当初、ネット個人販売に懐疑的だった義父も、お客さんの感想の声を聞き、変わっていった。今では「がんばってくれている隆行に迷惑かけちゃいけない」と、トマト生産に一層意欲的に向き合っている。この農園には、クラファンで出会ったいろいろな支援者たちがやってくる。中には「韓国ドラマでしか見たことがなかったような」運転手つきのベンツでやってくるセレブもいる。10万円支援してくれた20代の見知らぬ若者は、マーケティングアドバイザーとして関わってくれている。そこには、ただ消費するだけの従来の消費者でなく、生産者が生産するために必要な経済的・精神的リソースを提供する新しい消費者像が浮かび上がる。

ポケットマルシェ代表の高橋博之が、社会を“生きる“ゲストと対談する「高橋博之の歩くラジオ」。ゲストのみなさんは、農家・漁師、起業家、研究者、行政官、メディア、NPO、学生……と様々な立場から、自分たちの生活する場、自分たちの生きる社会をよりよくしていこうと、熱い想いや強い志をもって働きかけている方々です。

「高橋博之の歩くラジオ」では、あらゆる角度から社会についての議論が交わされ、心に響く言葉が生まれています。自分の“生きる“日々を振り返って、ちょっと立ち止まって考えたり、背中を押してもらったり。このラジオが、そんなきっかけになることを願っています。

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