二〇二一年六月某日、下北沢の居酒屋に集まった我々三人はほどよくへべれけにてバンド・オブ・ブラザースとしての揺るぎない結束を誓い、同時にひとつの目標を立て、そしてそれを成し遂げるために日々の努力はこれを惜しまない、惜しむことはないと大いに盛り上がったことを今でも鮮明に記憶しております。ワテら浪速の人間や。ワテらが喋ればそれが漫才や！ごっつい花火あげようや……やったろうやっ！そんな青いエモーションがあの日あの時あの場所で確かに爆裂しておりました。炸裂しておりました。それから二週間後、初めて音楽リハーサルスタジオに入り、せーので音を出した瞬間に結成当初の目標である「三池崇史監督よりも優れた芸術作品を作る」は達成され、我々はバンドとしての本懐を遂げました。しかし更なる高みを目指してとどまるところを知らない情熱は加速度的にそのカロリーを上げて我々を急きたて、次から次へとモリモリと新たな目標を打ち立てては「拾い食いをしない」「般若心経を暗記する」「お洒落な雑貨屋さんめぐり」等の艱難辛苦をかるーく乗り越えてみんなハッピーじゃん。すげーじゃん。といった雰囲気で日を追うごとに火を纏う如き/心に錦/増す罪の意識、と、わずかな素材/消える存在/でも足りない取材/見極める功罪、と思うさま韻が進化/芯が変化/因果の日々がみな死んだ意味は、ともうこれはライミングですね。ライミングなバンド活動を行う我々でしたが、この度一旦凍結と相成りました。理由は複合的です。複合的な理由のことをバンド活動においては”方向性の違い”と呼ぶのでしょう。「いやいや、底辺インディーズの分際でなにが方向性やねん」と嘲笑う向きもいらっしゃるかもしれませんが、本当に方向性の違いなのでそう表現するしかないのですよ。ただ本編中でも語っておるとおり、またフラッと集まってライブとかやる？やっちゃう？みたいになることもこれはあるじゃん！と考えておりますのでなにかあればまたご連絡いたします。今は少しだけ凍結いたします。これがホントの凍結SMASH！？

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「汝、鳩のように生き、狼のように死ね」。これは、君はさ、鳩のようにホ・ホロッホー、ホ・ホロッホーと生き、狼のようにアオーーーンと死ねたらいいんだよね、かっこいいんだよね、という意味の今適当に作った言葉だ。適当に作ったワリには人が人生を生きるということに対してなにか深い訓、理、解、とその他がありそうなのでせっかくなので時間もあるので紐解いて(江戸っ子風に発音すると”しもといて”)みようと思ったの。まずこの、「汝、鳩のように生き」の部分。鳩はとにかくどうでもいい鳥のレペゼンだ。たいして鑑賞価値のない羽根とかの紋様、うるせぇ鳴き声ホ・ホロッホー、ギョロっとした眼、くちばしの付け根に付いてるキンタマみたいなパーツ。どこをとっても褒めるところが見当たらない、伝書鳩レースの人以外には全く興味を示されないマジでやべぇレヴェルでどうでもいい鳥だ。鳩好きの人、ごめんな。閑話休題、渋谷の鳩は人間を怖がらない。人間が鳩に向かってズンズン歩いていっても鳩はまったく避けようともせずホ・ホロッホー、ホ・ホロッホー、首をトゥントゥンさせながら忘我の彼方みたいな顔で餌を探しているもんで近づいていくすがら「今ここで羽ばたかれたらなんか汚ねぇのが飛び散る気がしゅる……。」という感じがしてきて結局は人間のほうから鳩を避けるゆえ鳩は嫌増していい気になって穂・ホロッホー、帆・ホロッホーと引き続き首をトゥントゥン、餌を探してトゥントゥン、レゲエ関係のオジサンが今朝も拾ってきたパンくずを撒き散らすことだろう。それを目当てにトゥントゥン、so学生時分、いわゆるひとつのテニスサークル、つまりテニサーに属していた人ってのもこれは存在するんだよね。大量に。そして彼らは練習終わり、まあ練習つっても温泉卓球みたいなヌルヌルの打ち合いをちょろっとやる程度なんだけども、やらんほうが色んな意味で地球的にはマシ(SDGs的に)なんだけども、そんな練習終わりにテニサーは毎回飲み会をするワケ。練習には来てなかったけど飲み会には絶対に来るパイセンとかもいるワケ。飲み会に参加するために親に買ってもらった軽自動車を一旦家に停めに帰らなあかんさかい練習には来れないワケ。ほんでね、飲み会が盛り上がったところで若手のテニサー達を集めて、「起業とか、絶対したいんだよね。」とかつって！テニサーごときに所属してる分際でなにが起業だバカ。汝、狼のように死ね。でも今どきテニサーってのも古い気がする。いまは何サーがトレンドなんだろう。燃えろ。

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やべぇよ！やべぇって最高および最幸の仲間たち！俺たちにシュプリームな時感を与え続けてくださっている黒幕、首魁、元締めである日本アムウェイ合同会社がお上から6ヶ月間の業務停止命令を言い渡されちまったい……。俺たちはただ、仲間と集まってCookingしたりメイク講座開いたりフワッとしたテーマのミーティングをしたり、のーんびり、まーったり、それぞれにフリーダムな考え方で、しかし時には真剣に深い話をしてのちのーんびり、まーったり、みんなで泣いて笑ってBBQのーんびり、まーったり、してただけなのによぉ(泣き)。とうとう俺たちの化けの皮を剝がそうってんだな。おもしれえ、やってやんよ！こっちには落ちにくい汚れもサッと落ちる洗剤とか、ウェポンとしても使用可能なお鍋とかがあるんだからな！あるんだから！(“さいこう"を変換すると「最幸」となるように設定していると最幸の仲間たちである可能性が高まります)("じかん"を変換すると「時感」となる方も同様です)といった感じで全国のマルちゃん(＝マルチ商法に手を出している人)たちが大慌てしているであろう様子が目に浮かぶ今回の処分ですが、これで目を覚ましマルちゃんから足を洗うきっかけになるといいですね。なるのでしょうか。どうなのでしょうか。何しろマルちゃんたちが崇め奉っているのはそんじょそこいらの神様仏様ではとてもじゃないけど対抗できるようなタマではないからです。彼らが崇めるもの、有史以来最強のアイドル、神の上に立つ神、その名はMoney。「芸のためなら女房も泣かす」は浪花恋しぐれですがマルちゃんは「金のためなら友達なくす」がフェイヴァーな一節。不労所得を錦の御旗に東奔西走。ガキの使いじゃあるまいし、金ヅル探しは伊達じゃねぇ。高校時代の友達も、会社で出会った後輩も、なんなら親戚恋人までも一度かかればコッチのもん。あの手この手で引っ張り込んで侵掠すること火の如し。友情ごっこも終わりが見えた此処は地獄の三丁目。悲しいよねえ。人とは悲しいよね。でもさぁ、やっぱりそのロイヤリティ？不労所得？ロバート・キヨサキ？を自らも得ていきたいが故に貴重な友達をサクリファイスにしていくという精神はとても醜く、自らが日に日にうさんくさく香ばしくなっていっている自覚もとうに無くしてしまって、しかしそんな君に対してでも「そういったことはやめときよし。」と言ってくれた本当の仲間にこそ、お金には代えられない価値があったのだろう。R.I.P。

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「鍋パしようぜ！」今日も元気なアイツは今日も元気に陽気なイベントをコンサルする気マンマンマンだ(最後のマンは「男」って意味のマンなんだよ)。この提案にやぶさかでないのはかつて僕らに「たとえばバンドのアー写とかさ、そういった感じで複数人でその組織、チームを象徴するような写真を撮る際は、え？こんなに近づいて撮らないといけないもんなんですか？っていうほどに相手と近づいて撮ったほうが画的に良くなるよ。とくに顔を近づけてね。これはマジ。」と教えてくれた僕らのヒーロー兼メンター兼師匠兼フィクサー兼ゴッドファーザーの人だ。人。人は自称”鍋奉行”であった。鍋奉行にとって鍋とはイコール戦場であり、全ての要素に対して一瞬たりとも気を抜けない己が沽券にかかわる大勝負であり、鍋パ、つまり鍋に対し”パーティー”みたいなチャラチャラした気持ちで臨むなんてそんなもんはゴンゴ道断、原発反対、ウーマンリブ及び北アイルランド連合王国なのである。とこの広い空の下で鍋奉行は涙を流しながら叫んだ。しかしここでかつて僕らに「よくさ、中華料理みたいな大皿をみんなでつつく系の料理を食べてる時にさ、お箸を逆さにして口がついてない方で料理を取る人がいるけどさ、それってつまり手で持ってた方を料理につっこんでるってことだろ？そっちのほうが汚くね？」という問題提起をしていけ、がんばっていけ、とアドヴァイスしてくれた人こと自称"鍋将軍"a.k.a鍋将軍は鍋奉行に対して静かに、しかし強い意志のこもった声で反論した。鍋将軍の反論をまとめると、鍋将軍である自分にとって鍋とはバトルフードでありバトルフィールド即ち"戦場"であることは間違いないが、こと鍋"奉行"であるあなたにとっては、鍋は戦場というよりは"お白洲"といった方が適切なのではないか、といった旨であった。鍋奉行はしばし呆気に取られていたがやがて平静を取り戻し、貴殿のご指摘、至極真っ当にございます。勉強しなおして参ります。と残し、すごすごとどっかへ行ってしもうた。「あんなにすごすごとどっか行く人にはなかなかお目にかかれないよね」「初めて本格的なすごすごを目の当たりにしたよね」「日記に書いとこう」など各々ひとくさり感想を口にしてから僕たちは大人って大人気ねぇよな、みたいな少年の日のような話をしながら鍋パ改めタコパの材料の買い出しへ向かったこの広い空の下。

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夏が終わり秋から冬へとガンガン寒くなっていくこの時候、初夏にステディとなった若きカップルたちは浮かれ過ぎた夏を省み気温が低下するにつれ否が応でも相手のことを冷静に見つめることになる。肌寒い日が増えてきた。今日は一枚羽織るものを持って出かけよう。金木犀の香りは人にモノを考えさせる。「あれ……？私、あの人のどこが好きなんだっけ？」一緒に居るとそれなりに楽しいしすごくイヤなところがあるわけでもないし、でも会うとなんだか疲れるし今日行く映画は私は別に観たくない。一度考え出すと止まらなくなってくる。考えれば考えるほど私たちの間には小さい、けど深く、そして看過し難い根本的な違いがあるような気がしてならない。このままでいいのかしら。このままこの先、つまり将来的に結婚的なアレはありえるのかしら。いや、それはないっしょ。ありえないっしょ。(笑)じゃあなに？え？まって、別れる系？言っちゃう？今日言っちゃう？クリスマスが今年もやってくる前に？まぁでも年末年始はミチャ子とアンナと過ごせばいいか……。斯くしてこの時候は大量の男女が夏の初めにあんなにウッキウキで結んだリレーションシップを解消し、ある意味春以上の激動の別れの季節となるのである。バイト先の店長から「初彼女おめでとう。店長、心の底から祝福する。でもな、夏に付き合い始めたカップルは往々にして冬がくる前に別れる。そうならぬよう気をつけなさんな。」といった生きたアドヴァイスをいただいた際に「うるせぇ。俺にかぎってそんなことがあるかよ！」と心の中で啖呵を切りつつタイムカードを切るのを忘れて帰ったそこの君！な？店長の言うとおりになっただろ？店長の言うことは素直に聞いとくもんだよな！土日も通しでシフト入れよてめぇ！そんなワケでこの季節、街には突如別れを告げられあうあう言ってる間にひとりぼっちになってしまったダウナー諸君が溢れかえって片隅でくっさいことになっているワケで、おい、くっさいぞ！お前さんもお前さんもお前さんもくっっっっっさい！！でもくっさくていいよ。部屋から一歩も出ずにくっさくなってても全然大丈夫。極論、誰もがみな心のどこかがくっさいんじゃけぇ。”明日は今日よりちょっち明るい日になればいいな”程度の希望を持ちつ、それでもなおくっさいジブンを愛せばいい。

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もし過去か未来、好きな時間好きな場所に一日だけタイムリープできるとしたら、あなたはいつのどこに行きたいですか？「過去に飛んで犯したとんでもねぇミスを帳消しにしたい」「未来に飛んで公営ギャンブルの結果を知りたい」といった即物的なアレから、「恐竜を見たい」「空飛ぶ車に乗りたい」といったようなロマン溢れるアレまで、みなさん過去や未来に様々な想いを馳せることでしょう。どれも楽しい想像ですし、考えるだけでワクワクするような話題だと思います。過去に飛ぶか未来に飛ぶか、どちらにしても(either way)共通して言えることがあります。それは「タイムリープなんてできない」ということです。「タイムリープなんて不可能なので話すだけ時間の無駄」みたいなことを言う奴。もうね、こういうことを言う奴が一番つまんねぇですよね。つまんねぇし気持ち悪いし友達もいないしツイフェミを探してはクソリプばかり送ることが生き甲斐の家系ラーメンの食い方にしょーもねぇこだわりのある角待ちシャッガン死体撃ち屈伸煽りカスでしょう。そんな奴らの意見は社会的には無いようなものなので放っておくとして改めまして過去に飛ぶも未来に飛ぶも、共通して言えることがあります。それは「現在(いま)をより良いものにしようとしている」ということです。飛びたいのが過去であれ未来であれ、結局は現在の己の状況をより良くするためになにかを得たりなにかを知ったりしようとしているに過ぎないのではないかと思います。そしてそれは人としてとても正常な姿であると言えます。現在が一番かけがえなく大事なのですから。少なくとも我々小市民は。バック・トュ・ザ・フューチャーもよくよく考えてみればそういう話ですからね。といったことを大観衆の前で話したところ、バック・”トュ”じゃなくてバック・”トゥ”じゃね？(笑)と件の角待ちシャッガン〜みたいな奴輩は聞こえるか聞こえないかの距離声量で言うてくるのよ。パソコン見ながらチンチンばかり触ってる奴らが。どうなの？それどうなの？少なくとも男のやることじゃないよね。つーかほな貴様は普段から”ジュラルミンケース”のことを”デュラルミンケース”って言うてのんけ？”ダンス”のことを”デェンス”って言うてのんけ？”ツィゴイネルワイゼン”を”チゴイネルワイゼン”って言うたことはないのんけ？一般的には”トゥ”だからそう言ってみただけでそんなにムキになるとは思わなんだ。とか言うんだろうね。でもそうやって重箱の角をつつくようなことを指摘してマウントをとった気になって、それで君は満足か？なにか成し遂げられそうか？それが君のなりたかった大人か？重箱の”角”じゃなくて重箱の”隅”じゃね(笑)と思ったよね？それは合ってる。

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「こんなに立て続けに台風が発生するのは国葬から目を逸らしたい政府が人工的に台風を起こしているから」といったことを本気で主張している人がいる。これに対し「いや、そんなわけないでしょ(笑)」「アタマおかしいんじゃね？www」と冷笑的嘲笑的な立場をとり、相手の拳が決して届かない位置からクスクスと馬鹿にしている人がいる。「嘘じゃねぇよ！沖縄本島南部には地元民も用途を知らない巨大プラントがあってそこから雨雲が発生しているのを見た人が何人もいる！ちなみにプラント建設に関わった人は全員原因不明の病気で死んだ！」と声を荒らげ詰め寄ってこられると「いや何ムキになってんの(笑)キモwwwてゆーかどうでもいいし」と適当にスカして再び冷笑的嘲笑的な立場をとり、しかし足の震えがバレないように極めてカッコをつけつつ楽屋に逃げ込みやれ打ち上げの店がどうだの、あの客はヤれそうだの、出番が遅いだの早いだの、自分たちが表現手段として選んだ”音楽”というものになんの関係もない話ばかりしてビールを飲んだりタバコと混ぜた質の悪い大麻を吸ったりしながら「俺らってさぁ…ロックだよな」みたいなことをニヤニヤ笑いながらほざいてるロックばかりが増えたのでこれはもうロックはもうそろそろ死ぬわけで、つまり本気に対して本気でぶつからないだって本気になるのはダサいから、馬鹿にされるより馬鹿にしていたいだって馬鹿にされるのはダサいから、そんなことよりモテたいヤリたいチヤホヤされたい、音色音質歌詞メロディーetc音楽が芸術であるということを本気で考えだすとそれは本気なのでダサいし馬鹿にされるより馬鹿にしていたい、そうやって生きていきたいので音楽がどう芸術がどうとかそういったことはひとまず置いといてまずは余のこの棒を突っ込む穴、余がバンドマンであるということで股を開いてくれるかつ顔面にさしたる不具合のない者がたくさん集まればいいね、それが最高なんだよね、ロックなんだよね。みたいなロックが増えてしまったのでロックはそろそろ死ぬ。ごく一部の本気でロックをやっている人々に対しその他大勢のロックの着ぐるみだけ着たボケナスばかりが目立ってきたせいでロックはそろそろ死ぬ。しかしそれは決して悪いことではない。マジで全然悪いことではないし大してびっくりするようなことでもない。成熟しきったカルチャーはいつかその役目を終え、そしてその屍の上にまた別の新たなカルチャーが芽吹くのだから。今我々ロックにできることはロックに残された寿命をできるだけ延ばすべく本気でロックと向き合うことと、電通の毒牙がHIP-HOPにかからないように注意を逸らし続けることである。

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名前ーーー汝らはその生涯において沢山の何かに名前を付けることをする。あだ名、題名、曲名、団体名etc。名は体を表す、という言葉があるとおり名前というのはその人やモノを形作る上で重要なファクターであり、であるので大切なモノや長く付き合っていくモノにええかげんな名前をつけることはあんまり好きくないよ？と夢に出てきた天使様がおっしゃっておられました。まぁたしかに大事ですよね名前。シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の作中にある有名なセリフに「名前って何？バラと呼んでいる花を別の名前にしてみても美しい香りはそのまま」という一文があります。名前という記号がなんであれ、そのモノの本質は一切変わらない、というロミオとジュリエットの関係性を端的に表した素晴らしいセリフです。ジュリエットの言う通りバラを別の名前にしてみても香りは変わらないでしょう。しかしやはりバラは”バラ"という名前だから良い、ということはないでしょうか。なんか派手な響きだし漢字もカッケーし良い、みたいな。もしバラの和名が"バラ"ではなく"エイリアンヨダレフグリ"という名前であった場合こんなロマンチックなセリフになり得たでしょうか。ちょっと厳しそうです。おまえの戯曲のあのセリフ、日本では爆笑シーンになってるらしいよ(笑)なんて知った日にはシェイクスピアも「マジで！？チョー悔しぇいクスピア！(号泣)」とアン・ハサウェイに慰めてもらっていたことでしょう。そう考えると名前などただの記号と侮れないものです。自由が丘が"ゴリラが丘"という名前だったら、あそこまでオサレな街になったでしょうか。また、知ってる方は極めて少ないかと思いますが、我々げんしじんも最初期は"シャンハイ&ザ☆ホンコンストレイフ"というバンド名で活動しておりました。しかし活動を続けていく中で誰もシャンハイじゃないしホンコンじゃないしストレイフってなに？という壁にぶち当たりました。体が名を表していなかったのですな。そこで我々は「コイツをシャンハイにしよう」ということでドラマーの名前をシャンハイにすることに決めました。「嫌や、それだけはかなん。堪忍してーや！」と泣き叫ぶ彼を拳で説得して戸籍上の名前までシャンハイに改名させたのですが「なんか違う気がする」という鶴の一声によって"シャンハイ&ザ☆ホンコンストレイフ"から現在の"げんしじん"というバンド名に至ったっつーワケ。そんなシャンハイは未だに元の名前が宛名に書かれた郵便物が届くたびに哀しそうな目をしていますが、他のメンバーは持ち前の明るさでそれを無視しています。

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昔の人は云いました、「男は一歩外に出れば七人の敵がいる」。いや多いなぁ、多すぎてるなぁ。なんてことを思っていると女の人は云いました、「えまって。だったら私たちオンナは一歩外に出ても敵なんていないってこと？心外なんですけど。オンナ嘗めてんの？」すいません。たしかにそうですね。今の時代、"男なら"とか"女なら"とかって性別によって特性・役割を決めつけるような思想および発言はこれをジェンダー差別といって極刑に処されることになってますので男も女も同じだよ。みんな同じようにセイムなんだよ。という茨の道をみんなで歩まなければなりませんですので訂正します。「女性の方も男も一歩外に出れば七人の敵がいる」。そうです、これです。誰がこんな物騒なことを言い出したのかは存じませんが我々ヒューマンビーングにはみn、え？なんですか？「てか私たちオンナに七人も敵がいるならその全てから私たちを守るがおまえら男の仕事だろ。」ですって？あ、なるほど。わかりますたしかにそうですよね。ということはつまり「男っていうか女性の方以外には(本人の性自認を尊重する)一歩外に出ると都合14人の敵がいる」ということになります。多いですね。誠に多いと言えます。一歩外に出る度に14キル0デスという脅威のキルレートを要求される私たち。そんな私たちだからもう日常生活なんて闘いに次ぐ闘い。和製ランボー。必殺シャイニングウィザード。エンドレス我が闘争。そしてそんな闘う君の唄を闘わない奴等が笑うだろう。ファイト！冷たい水の中をふるえながらのぼってゆけ。so御多分に洩れず我々げんしじんも日々修羅の道を歩み続けております。ある者は流行り病の後遺症と闘い、ある者はラップのスキルを上げるために闘い、そしてまたある者は来たるBreaking Down6への出場を賭けて闘う。そんな闘う我々の唄を、君は笑うかい？

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そして少年は大人になり、夜の本当の暗さを知った。ところどころ舗装がハゲた道。ガリガリの犬。もう崩れそうな文化住宅のモルタル壁には真新しい公明党のポスターが風に靡いている。少し遠くで誰かの叫び声と何かが割れる音が聞こえた。此処は終わっている。マジで終わっている。ので、せめて記憶を無くそう、明るく生きようと思い普段より多く酒を飲もうよブラザー。と、こうして角度の低い目的で集まっている僕たちはラララ僕たちはつまり柔道着より空手着の方が安い。なぜなら空手着は柔道着に比べて生地が薄いから。という話を数十回繰り返したらけんもほろろに宴もたけなわ、ほな今日の日はサヨウナラ、三々五々に爆散しましょかというタイミングで自称"毎日一日一善オジサン" a.k.a オジサンは斯く語り始めた。曰く、今の時代は良い。本当に良い。なぜなら電話があるから。オジサンらの頃は手紙やった。今は電話ですぐに世界中どことでも繋がれるのでそこが良い。電話を発明したジェイソンは天才だ。電話だけじゃない。蓄音機も電球もジェイソンが発明したので偉大だ。俺もいつかジェイソンみたいになる。blah blah blah……。つたなくまとまりが無く中身が薄く長い話だった。話し終えたオジサンはしかしとても素敵な笑顔であった。でもオジサン、ジェイソンじゃなくてエジソンだし、電話を発明したのはエジソンじゃなくてベルだよ。と訂正しようとしたけど、オジサンの枯れたルックスに見合わないピュアな瞳、つーか有り体に言うと知性の光が認められないその瞳に見つめられるとなんだか急激に切なくなって、オジサンのゴツゴツとした見るからにヘヴィデューティなお手手を握り「ほなまた会おな」とウソだけついてみんなとは別れた。そして少年は大人になり、夜の本当の暗さを知った。わけても独りで過ごす夜の暗さを。無性に誰かと会話したい。たとえそれが電話越しであれ。といった理由があってかどうか、どうなのか、電話をかけました。

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