7月下旬の更新以降、いつになく出入りの激しい生活に突入してしまったことで、Twitter へのリアルタイム投稿以外はブログ関係は全く手つかず〜放置状態になってしまったが、約1カ月して生活も元のペースに戻ってきたので、この間の出来事を存在証明の意味も込めて記録しておきたい。 ラジオ番組「サウンドキッチン」で報告したとおり、8/15に久しぶりに神座 (KAGURA) のライヴをやったのだが、7月の簡単な打ち合わせで、新曲2曲+旧曲の新アレンジ1曲を決めながらも以降はスケジュールが合わず、8月に入ってから土曜の午後数時間のリハーサル…といっても曲構成の確認程度のものを2度ほどやり本番に臨むことになった。 約10年ぶりとは言え、幾度となく共に演奏したメンツであるので「呼吸」の合わせ方は分かっていて演奏の勘が鈍っていることもなかったが、10年ぶりに引っ張り出した機材はそうは行かず、同期に使う MD レコーダーはメディアの出し入れに問題が起きたり、同期データを入れた MD メディアが悉く TOC エラーを起こすなど「経年劣化」に時の流れを感じさせられた。 これは由々しき問題である。数日後に迫った本番に向けて同期データを用意しなければならない。データそのものは過去のバックアップから持ってくればよいのだが、それを録音・再生する装置がイカれているのである。 MDレコーダーとはいっても、数年前に市場から消え失せた録音・再生両対応のMDウォークマンの類いではない。最低でもステレオ音声+クリックという3チャンネル音声をバラバラに出力できるマルチトラックレコーダー (YAMAHA MD8) なのである。もちろんとっくの昔に製造中止となっており、ヤフオクあたりを覗けば数千円 (!) で取引されているが、ノースピンドルが主流のご時世に、例え数千円の中古でも今更レガシーなものに投資をしたいとは思わない──否、そんなことを考えている時間さえない。 実はマルチトラックレコーダーをもう1台 (FOSTEX VF16;こちらはHDDベース) 持っていることを思いだし、時間的なこともあるから「これを何とか使おう」と考えてみたのだが、こちらは基本的にステレオ出力のみ。PA卓に送るにはステレオ出力で十分だが、同期演奏中にモニターするクリックを何とかしなければならない。つまり客席側にはステレオ音声のみ送りつつ、演奏者側はステレオ音声+クリックを聞ける状態にしなければならない。客席にクリックを聞かせるわけには行かないのだ。 結論から言えば、FOSTEX VF16 には AUX 出力が付いていたので、本来のステレオ出力はクリック入りでモニターし、ステレオ L&R に当たるトラック音声のみを AUX 出力から取り出して PA 卓に送る、という逆転の発想で目的を果たし事無きを得た──実際にはネット経由で送ってもらった同期データ、つまりクリックを含む3チャンネル分の音声をレコーダーにどのように取り込むか?という部分でも、それなりの試行錯誤があったのだが、この辺りの話は少々込み入っていて専門的すぎるので割愛する。 こんな経緯もあり、いずれは MD8 を修理するなり置き換えるなりしなければならない──VF16でやればいいではないかという話もあるが、どちらも今時のマルチトラックレコーダー (MTR) に比べると余りに大きく・重く・可搬性が悪い──ということもあり、最新モデルをいくつかチェックしてみて驚きつつも気が付いたことを幾つか書いておく。 自分にとって専用機の MTR を使う場面は上記のような同期演奏の再生がメインで、極たまにライヴ演奏のマルチトラック録音をする程度、ただし録音さえすれば後はコンピューター側に取り込んでしまうので、MTR 側に求めるのはレコーダーとしての基本性能とマルチ入出力のみ。今時は普通に載っている内蔵エフェクトの類いも不要だ。 しかしいざ調べてみると、数万円程度のモデルは MTR を名乗りながら、同時に録音・再生できるのは2チャンネル (2モノまたはステレオ) なんてのが実に多いことが分かった。もちろんデジタル MTR … 続きを読む →