田舎坊主の読み聞かせ法話

「イスラム教原理主義 ータリバンー」 田舎坊主のぶつぶつ説法


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イスラム教原理主義「タリバン」という存在は、2001年3月バーミヤンの大石仏を爆破して以来、世界の人々が知るところとなった。

といっても、正確には9.11アメリカ・ニューヨークのワールドトレードセンター(WTC)のツインビルに旅客機が突入したテロをきっかけとした、その後のアフガニスタンへのアメリカ軍空爆の中で、毎日毎日報道されることによって周知の存在となったのが事実だろう。

イスラム教の教えがアッラーの神を唯一信奉神とし、コーランという教典が唯一信仰の精神であり、生きる指針でもあることは言うまでもないが、決してタリバンがイスラムを代表する人たちでないということも言うまでもない。

かつて七世紀初めマホメットがイスラム教を興し、その勢力の拡大とともに当時仏教圏であったシルクロードを東へ東へと進攻し、偶像崇拝排斥の御旗の下、多くの仏像や仏教壁画を破壊していった。その勢力は中国西域、敦煌の手前まで続いた。

その破壊の方法は仏像の目と足を悉くつぶしていった。その理由は、単にすべてを破壊する労力が大変だったこともあると思うが、やはりそれまで仏教圏として栄華を誇った地域の仏像には、ある種の畏れがあったのだろう。足をつぶさなければ、仏像はその足を以て街を回り仏教を布教して歩くかもしれないという妄想をもち、威光を放つ仏像の目を見れば、大衆は仏教に心惹かれるかもしれないと考えたのである。

バーミヤンの大石仏もすでに目(というより顔)も足もすでに破壊されていた。にもかかわらず、今破壊したのは、イスラム原理主義世界を建設しようとするタリバンにとって、西側諸国から最近とみに声高に叫ばれるようになってきた「バーミヤンの大石仏を世界遺産に登録して、後世にのこそう!」という声に反発し、そしてタリバンの信奉するアッラーの神の偉大なることを世界に誇示したかったのだろう。

こう考えると、バーミヤンの大石仏破壊と、資本主義社会の象徴としてのアメリカWTCツインビルを破壊したことは、彼らにとって同じレベルにあったのかもしれない。

それにしても、世界の人々が目にした、超高層ビルの崩壊と、何の罪もない3300余人の市民の犠牲は、あまりにも大きなショックであったし、許すことのできない行為である。

イスラム教本来の教えも決してこれを許すことはないだろう。

合掌

4月からのシーズン2の読み聞かせ法話の本は

私の初版本で、2002年に出版した「田舎坊主のぶつぶつ説法」です。

後に「田舎坊主シリーズ」とつながる第1弾です。

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田舎坊主の読み聞かせ法話By 田舎坊主 森田良恒