よっしーの「今週のエッセイ」

今週のエッセイ/初めての混浴


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この出来事は、もう40数年前のことでる。

自分でもびっくり、そんなになるのかと。

全く、「光陰矢の如し」である。

確実に残された時間が少なくなってきている。

一日一日を大切にしたいものである。

 

2012年の作品です。

 

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初めての混浴

 

 酸ヶ湯温泉。八甲田山の麓の温泉だ。千人が入る温泉がある。しかも混浴。心なしかワクワクドキドキで新潟へと旅立った。

 もうすでに三十五年程前の話である。九ヶ月間同じ釜の飯を食った仲間との同窓会。場所は青森県の浅虫温泉。

 総勢三十人程の仲間で、一番仲が良かったのが新潟県新津市の先輩だった。養子で奥さんに頭が上がらないと聞いていたので、それを確かめるのも楽しみの一つだった。当然、私の方はまだチョンガー。色々な夫婦の形態を見るのも後学のためには良い。しかし、奥さんは最後まで出てこなかった。夕方に新津市に到着し、そのまま外食し、先輩の家に戻ったら、そのまま二階の部屋へ直行し、翌朝は早立ちしたのである。その間、声も姿も気配さえ感じられなかった。いや、気配は微かにあったように感じられた。でも、そのことを先輩に聞くこともなく青森へ向けて車で出かけていった。

 もう、心は酸ヶ湯温泉である。浅虫温泉までのルートを夕べ先輩が説明してくれたが、「酸ヶ湯温泉は混浴で・・・」という言葉しか覚えていない。慣れない道に戸惑いながらも何とか酸ヶ湯温泉へとたどり着いた。早速温泉に入ることにした。脱衣場は男女に分かれている。(何だよぉ!分かれているのかよぉ)すりガラスのドアを開き、中へ入ると湯けむりがもうもうとして視界が遮られている。足元は檜作りの板張りが足に感触が良い。目が慣れてくると両サイドにこれも檜作りの階段が下へと続き、四つか五つの大きな檜作りの浴槽が見えてきた。温泉全体が総檜作りである。そして、女性らしき声が聞こえてきた。(これよこれ!こうでなくっちゃ!)脱衣場は別々だが中は混浴なのだ。足取り軽く下へ降りてゆき、浴槽へと近づいていった。(いやぁ、混浴はいいよなぁ)先輩と湯船につかり、ゆっくりとあたりを見回すと、おばあちゃんとおじいちゃんばかり。(こっ、これは女性と言えるのか?)と思った瞬間、皆の目が若い二人に注がれた。若い人は珍しいらしい。その視線から逃れるように隣の浴槽を見ると、同じようなものだ。(何だ、若い女性なんていないじゃないか)ふてくされたように、打たせ湯へと移動した。結局、何の収穫もないまま上がることになった。

 まぁ、期待した私がバカだったのだが、それ以来、混浴と聞くと、おばあちゃんとおじいちゃんのシワだらけの裸体が思い浮かぶのである。これも、トラウマというのだろうか。

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どんな収穫を期待していたんでしょうね。

20代後半の思い出でした。

 

それも、亦愉しからずや です。

 

それでは、皆さんの明日が希望に満たされたものとなりますように・・・。

おやすみなさい。よっしーでした。

 

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よっしーの「今週のエッセイ」By 森田義夫