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いざ、長崎くんち
七年前に、六十になったら長崎くんちを見に行こうと思った。お目当ては七年ごとに奉納される「太鼓山(コッコデショ)」だ。今年は都合良く十月七日が金曜日で仕事の支障もない。六日に夜行バスの予約を取った。七日午後十時五十分天神発に飛び乗った。乗客は五名。「予約なしでは乗ることはできません」という注意書きが何とも虚しく響く。長崎駅前に到着したのは七日午前一時半。それから、諏訪神社まで歩いて二十分、立ち見席を取る為に並んでいる人が、すでに七~八人いた。
枡席は売り出し日に完売となり、すべての席が売り切れてしまっていた。朝から何度も電話をしたが繋がらず、昼には売り切れましたのトーキーが入っていた。残るは、立ち見席の千五百円か無料席の長坂だ。長坂というのは、はがき抽選による無料の特等席だ。諏訪神社は高台に拝殿があるので、だらだらと階段があり、拝殿に続く最後の階段は、八十段ばかりできれいに整った階段である。抽選で当たるとこの席に座れるのである。といってもきれいな席があるわけではなく、ただの階段に座るのである。二段に横に十二人がすわるので、ざっと四八○人が座れることになる。ここでは、奉納踊りを正面から見ることが出来るので、一番良い席である。ただ、少し制約がある。神様が通る場所ということで、帽子はかぶってはいけない、禁酒禁煙、飲み食いもできない。「持ってこ~い」のかけ声は人一倍しなければならないということになっている。この長坂席もはずれてしまった。もう、あとは立ち見席を狙うしかない。
そんなこんなで夜行バスに飛び乗ったのだが、思いがけない幸運が舞い込んできた。立ち見席の売り出しは午前五時半。長坂席には、はがきを片手に多くの人々が座りだしていた。「立ち見でも、見られればいいか」と思っていたら、案内の女の人が小走りでやってきて、「長坂席があと十ほど空いてますので、希望の人は先着順できてください」私は八番目だったので、すぐに手を挙げて長坂席に座ることができた。何という幸運、夜行バスに飛び乗ったのは正解だった。
向かいの山から朝陽が出る頃に奉納踊りが始まった。今年は、船が多い。「川船」「唐人船」「阿蘭陀船」「御座船」「傘鉾」「本踊り」「太鼓山(コッコデショ)」何と行っても圧巻は「コッコデショ」である。これを見ると鳥肌が立ち、涙さえ出てくる。「コッコデショ、コッコデショ」と音頭を取りながら、空高く投げ挙げ、男衆が片手一本で受け止める、圧巻である。このあたりは表現できないので、ユーチューブでご覧いただきたい。「コッコデショ」が最後だったので、次の演技場である公会堂までついていってしまった。まるで「追っかけ」である。
あ~満足した長崎くんち。
帰りは、久しぶりに新地中華街でちゃんぽんを食べ、大好きな九十九島せんぺいを買って福岡へと戻ってきた。七年間持ち続けた夢がかなった瞬間でもあった。ひとりは楽し~い。
By 森田義夫いざ、長崎くんち
七年前に、六十になったら長崎くんちを見に行こうと思った。お目当ては七年ごとに奉納される「太鼓山(コッコデショ)」だ。今年は都合良く十月七日が金曜日で仕事の支障もない。六日に夜行バスの予約を取った。七日午後十時五十分天神発に飛び乗った。乗客は五名。「予約なしでは乗ることはできません」という注意書きが何とも虚しく響く。長崎駅前に到着したのは七日午前一時半。それから、諏訪神社まで歩いて二十分、立ち見席を取る為に並んでいる人が、すでに七~八人いた。
枡席は売り出し日に完売となり、すべての席が売り切れてしまっていた。朝から何度も電話をしたが繋がらず、昼には売り切れましたのトーキーが入っていた。残るは、立ち見席の千五百円か無料席の長坂だ。長坂というのは、はがき抽選による無料の特等席だ。諏訪神社は高台に拝殿があるので、だらだらと階段があり、拝殿に続く最後の階段は、八十段ばかりできれいに整った階段である。抽選で当たるとこの席に座れるのである。といってもきれいな席があるわけではなく、ただの階段に座るのである。二段に横に十二人がすわるので、ざっと四八○人が座れることになる。ここでは、奉納踊りを正面から見ることが出来るので、一番良い席である。ただ、少し制約がある。神様が通る場所ということで、帽子はかぶってはいけない、禁酒禁煙、飲み食いもできない。「持ってこ~い」のかけ声は人一倍しなければならないということになっている。この長坂席もはずれてしまった。もう、あとは立ち見席を狙うしかない。
そんなこんなで夜行バスに飛び乗ったのだが、思いがけない幸運が舞い込んできた。立ち見席の売り出しは午前五時半。長坂席には、はがきを片手に多くの人々が座りだしていた。「立ち見でも、見られればいいか」と思っていたら、案内の女の人が小走りでやってきて、「長坂席があと十ほど空いてますので、希望の人は先着順できてください」私は八番目だったので、すぐに手を挙げて長坂席に座ることができた。何という幸運、夜行バスに飛び乗ったのは正解だった。
向かいの山から朝陽が出る頃に奉納踊りが始まった。今年は、船が多い。「川船」「唐人船」「阿蘭陀船」「御座船」「傘鉾」「本踊り」「太鼓山(コッコデショ)」何と行っても圧巻は「コッコデショ」である。これを見ると鳥肌が立ち、涙さえ出てくる。「コッコデショ、コッコデショ」と音頭を取りながら、空高く投げ挙げ、男衆が片手一本で受け止める、圧巻である。このあたりは表現できないので、ユーチューブでご覧いただきたい。「コッコデショ」が最後だったので、次の演技場である公会堂までついていってしまった。まるで「追っかけ」である。
あ~満足した長崎くんち。
帰りは、久しぶりに新地中華街でちゃんぽんを食べ、大好きな九十九島せんぺいを買って福岡へと戻ってきた。七年間持ち続けた夢がかなった瞬間でもあった。ひとりは楽し~い。