田舎坊主の読み聞かせ法話

「利用者のためにがんばりたい」エッセイ「田舎坊主の合掌」


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私は1989年和歌山県難病団体連絡協議会を立ち上げました。

11年後の2000年には仲間の努力で難病・中途障がい者の作業者が開所しました。

その立ち上げメンバーの一人の女性が47才という若さで旅立ちました。

彼女からは、仕事のこと仲間のこと自分の病気のことなどいろんな相談を受けました。

そのたびに彼女は「利用者のためにがんばりたい」と話していました。

最後のやりとりとなったメールにはー

「入院しました。今度は元気になるために・・・。いろいろほんとうにお世話になりました。失ってから見つけるものは大きいですね。支えてくれる愛に感謝します。ありがとうございました」と書かれていました。

私は「大事にしてね」とだけ返信しました。

しばらくして訃報が届き、お通夜に参列しました。

棺の中の彼女の額に手を当て私は「はやいよ」とつぶやきました。

難病患者や中途障がい者のためにとがんばっていた彼女自身がつらい難病で若くして旅立ったのです。

つらいつらい別れとなりました

合掌


和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺

不動坊 良恒

田舎坊主シリーズ第六弾

「田舎坊主の合掌」

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日々感じる手をあわすことの大切さ

見逃しがちな感謝の心

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田舎坊主の読み聞かせ法話By 田舎坊主 森田良恒