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講師:本郷法律事務所(Hongo Law Office, LLLC)弁護士 本郷友香(ホンゴウ ユカ)
アメリカのトラストとは?
• トラスト(信託)とは、資産をトラストという「箱」に入れることにより、プロベート(検認手続き)を回避することができる、遺言書のような文書。
Probate(プロベート)とは?
• アメリカでは相続に際し、厄介なプロベート制度を設けている。
• プロベート・・・裁判所を通じて、亡くなった方の財産をどのように分配するかを決定するプロセス。
• 相続人が誰なのかを確認し、任命される遺言執行人が税の支払い、債務の返済等をした上で、残った資産を相続人に受け渡す作業
・裁判所のスケジュールに基づいて実施される
・時間が掛かります(6ヶ月~1年。)。
・プロベートに立ち会ってもらう弁護士も雇用するため、お金が掛かる。
遺言書を裁判所で開封して、相続人が誰なのかを確認するまでは、日本の自筆証書遺言の検認と似ている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Probate(プロベート)を通過する場合・回避できる場合
• プロベートを通過する場合
1)遺言書だけを作成していた場合
2)トラストやTransfer on Death Deed (TODD)等のプロベートを回避するための文書のいずれも作成していなかった場合
3)遺言書やその他プロベートを回避するための文書を何も作成していなかった場合
• プロベートを回避できる場合
1)トラストを生前作成しておいた場合
2)Transfer on Death Deed (TODD) を生前作成しておいた場合・・・不動産のみ
・トラストの構成
人物構成
1)Grantor/Settlor(委託者)
被相続人で、トラストに入れる資産の所有者。
2)Trustee(受託者)
トラストの資産を管理し、被相続人の死後、資産をトラストに指定される受益者に分配する役割を持つ。
3)Beneficiary(受益者)
トラスト上の資産の受取人。
居住地が州にない人が、トラストを作成するするのは難しい。
・トラストの作成方法
受託者や受益者を誰に指定するか等を決めた後、トラスト文書を作成。基本的には、誰にどの資産を、どの割合で分配するのかを指定。トラスト文書には色々な条項を設けることができる。受益者のそれぞれに、どの資産を、どの割合で、被相続人の死後、分配するのか。
・トラスト作成後の名義変更手続き
トラスト文書を作成後、トラストに入れたい資産を、トラストの名義に変更する手続き。名義変更手続きをすることによって、資産をトラストの一部にする。
• *不動産
トラストに入れる資産として、不動産が最も重要な資産となる場合が多い。元々の所有者からトラストに指定したトラスティー(受託者)に所有名義を譲渡させるための譲渡証書を作成し、不動産登記をする登記所(ハワイではBureau Conveyances)に登記することによって、不動産の名義をトラスト名義に変更し、トラスト 資産の一部にすることができる。・・・トラスト名義・・・受託者名義。
その他の資産の名義変更手続き
• 生命保険、アメリカでの退職貯蓄金 (IRA、401(K))、銀行口座、車等は、トラストに入れなくとも、プロベートを回避できる場合が多い。トラストに入れなくても良い場合もある。生命保険、退職貯蓄金や銀行口座等においては、それぞれの機関の受取人用紙において、生前受取人を指定しておきますと、受取人は被相続人の死後、死亡証明書を提示することによって、プロベートを通過せず、お金をそれぞれの機関から直接受け取ることが可能です。車もプロベートを通過せず、書類手続きのみで、被相続人の死後、受取人は承継可能。
生命保険、アメリカでの退職貯蓄金 (IRA、401(K))、銀行口座、車などは、トラストに入れることも出来るが、入れなくても生前に受取人を指定しておくことが出来る。死亡証明書(日本でいえば除籍抄本など。)を提出して引継ぎ。日本でもあると良いなと思います。預金に関してはTotten trust(トッテントラスト)。
トラストに付随する文書等
1.Pour-Over Will(注ぎ込み遺言書)
生前トラストに入れ忘れた資産が、トラスト資産に含まれるよう、指定。・・・特殊な遺言書。注ぎ込み信託・遺言に似ている。
2.Durable Power of Attorney(財産管理に関する委任状)
被相続人が判断能力を失った場合、財政的な手続き(税務申告の代理作成・署名等)をしてくれる代理人を指定。
https://www.lawhelp.org/hi/resource/hawaii-general-durable-power-of-attorney-template
3.Advance Health Care Directive(医療に関する委任状)
被相続人が判断能力を失った場合、医療に関する決断等をしてもらえる代理人を指定。臓器提供等についての指示も指定することもできる。
https://www.queens.org/the-queens-medical-center/patients-and-visitors/patient-tools-resources/advance-directive-qmc
4.HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)ヒッパ
法律によって、病院の診断書等は本人以外の方には開示してはいけませ んが、HIPAA承認書類を作成することによって、病院は指定する代理人に、 診断書を開示することが可能。
https://medquest.hawaii.gov/en/members-applicants/rights-and-responsibilities/HIPAA.html
トラストに付随する文書等・・・トラスト作成と同時に作ることがほとんど。
Durable Power of Attorney(財産管理に関する委任状)・・・日本の成年後見制度に似ている。
Advance Health Care Directive(医療に関する委任状)・・・日本の「意思決定支援等に係る各種ガイドラインの比較について」の医療分野に関する部分に似ているが、1人を決める?ことについては違う。
https://www.mhlw.go.jp/content/000689414.pdf
トラストに関する誤解-節税対策ではないこと
• トラストはプロベートを回避するために作成し、節税対策のために作成
するものではない。
遺産税の免除額(2018年~2021年)
• $11,180,000 (2018)
• $11,400,000 (2019)
• $11,580,000 (2020)
• $11,700,000 (2021)
*2025年以降は、以前の$5,490,000に戻る、と言われている。政治の影響も受ける。
By suano講師:本郷法律事務所(Hongo Law Office, LLLC)弁護士 本郷友香(ホンゴウ ユカ)
アメリカのトラストとは?
• トラスト(信託)とは、資産をトラストという「箱」に入れることにより、プロベート(検認手続き)を回避することができる、遺言書のような文書。
Probate(プロベート)とは?
• アメリカでは相続に際し、厄介なプロベート制度を設けている。
• プロベート・・・裁判所を通じて、亡くなった方の財産をどのように分配するかを決定するプロセス。
• 相続人が誰なのかを確認し、任命される遺言執行人が税の支払い、債務の返済等をした上で、残った資産を相続人に受け渡す作業
・裁判所のスケジュールに基づいて実施される
・時間が掛かります(6ヶ月~1年。)。
・プロベートに立ち会ってもらう弁護士も雇用するため、お金が掛かる。
遺言書を裁判所で開封して、相続人が誰なのかを確認するまでは、日本の自筆証書遺言の検認と似ている。
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Probate(プロベート)を通過する場合・回避できる場合
• プロベートを通過する場合
1)遺言書だけを作成していた場合
2)トラストやTransfer on Death Deed (TODD)等のプロベートを回避するための文書のいずれも作成していなかった場合
3)遺言書やその他プロベートを回避するための文書を何も作成していなかった場合
• プロベートを回避できる場合
1)トラストを生前作成しておいた場合
2)Transfer on Death Deed (TODD) を生前作成しておいた場合・・・不動産のみ
・トラストの構成
人物構成
1)Grantor/Settlor(委託者)
被相続人で、トラストに入れる資産の所有者。
2)Trustee(受託者)
トラストの資産を管理し、被相続人の死後、資産をトラストに指定される受益者に分配する役割を持つ。
3)Beneficiary(受益者)
トラスト上の資産の受取人。
居住地が州にない人が、トラストを作成するするのは難しい。
・トラストの作成方法
受託者や受益者を誰に指定するか等を決めた後、トラスト文書を作成。基本的には、誰にどの資産を、どの割合で分配するのかを指定。トラスト文書には色々な条項を設けることができる。受益者のそれぞれに、どの資産を、どの割合で、被相続人の死後、分配するのか。
・トラスト作成後の名義変更手続き
トラスト文書を作成後、トラストに入れたい資産を、トラストの名義に変更する手続き。名義変更手続きをすることによって、資産をトラストの一部にする。
• *不動産
トラストに入れる資産として、不動産が最も重要な資産となる場合が多い。元々の所有者からトラストに指定したトラスティー(受託者)に所有名義を譲渡させるための譲渡証書を作成し、不動産登記をする登記所(ハワイではBureau Conveyances)に登記することによって、不動産の名義をトラスト名義に変更し、トラスト 資産の一部にすることができる。・・・トラスト名義・・・受託者名義。
その他の資産の名義変更手続き
• 生命保険、アメリカでの退職貯蓄金 (IRA、401(K))、銀行口座、車等は、トラストに入れなくとも、プロベートを回避できる場合が多い。トラストに入れなくても良い場合もある。生命保険、退職貯蓄金や銀行口座等においては、それぞれの機関の受取人用紙において、生前受取人を指定しておきますと、受取人は被相続人の死後、死亡証明書を提示することによって、プロベートを通過せず、お金をそれぞれの機関から直接受け取ることが可能です。車もプロベートを通過せず、書類手続きのみで、被相続人の死後、受取人は承継可能。
生命保険、アメリカでの退職貯蓄金 (IRA、401(K))、銀行口座、車などは、トラストに入れることも出来るが、入れなくても生前に受取人を指定しておくことが出来る。死亡証明書(日本でいえば除籍抄本など。)を提出して引継ぎ。日本でもあると良いなと思います。預金に関してはTotten trust(トッテントラスト)。
トラストに付随する文書等
1.Pour-Over Will(注ぎ込み遺言書)
生前トラストに入れ忘れた資産が、トラスト資産に含まれるよう、指定。・・・特殊な遺言書。注ぎ込み信託・遺言に似ている。
2.Durable Power of Attorney(財産管理に関する委任状)
被相続人が判断能力を失った場合、財政的な手続き(税務申告の代理作成・署名等)をしてくれる代理人を指定。
https://www.lawhelp.org/hi/resource/hawaii-general-durable-power-of-attorney-template
3.Advance Health Care Directive(医療に関する委任状)
被相続人が判断能力を失った場合、医療に関する決断等をしてもらえる代理人を指定。臓器提供等についての指示も指定することもできる。
https://www.queens.org/the-queens-medical-center/patients-and-visitors/patient-tools-resources/advance-directive-qmc
4.HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)ヒッパ
法律によって、病院の診断書等は本人以外の方には開示してはいけませ んが、HIPAA承認書類を作成することによって、病院は指定する代理人に、 診断書を開示することが可能。
https://medquest.hawaii.gov/en/members-applicants/rights-and-responsibilities/HIPAA.html
トラストに付随する文書等・・・トラスト作成と同時に作ることがほとんど。
Durable Power of Attorney(財産管理に関する委任状)・・・日本の成年後見制度に似ている。
Advance Health Care Directive(医療に関する委任状)・・・日本の「意思決定支援等に係る各種ガイドラインの比較について」の医療分野に関する部分に似ているが、1人を決める?ことについては違う。
https://www.mhlw.go.jp/content/000689414.pdf
トラストに関する誤解-節税対策ではないこと
• トラストはプロベートを回避するために作成し、節税対策のために作成
するものではない。
遺産税の免除額(2018年~2021年)
• $11,180,000 (2018)
• $11,400,000 (2019)
• $11,580,000 (2020)
• $11,700,000 (2021)
*2025年以降は、以前の$5,490,000に戻る、と言われている。政治の影響も受ける。