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英語と日本語、「はっきり」の根本的な違い
「英語は、単語同士を滑らかにつないで発音する(リンキング)のが良い」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、「一語一句はっきりと発音した方が丁寧で通じやすいのでは?」と疑問に思いませんか?
実は、英語の「はっきり」と日本語の「はっきり」は、根本的に方向性が異なります。
🔍 日本語の「ハッキリ発音」とは
日本人が「ハキハキ話す」時、それは**「一つ一つの音節(音の区切り)全てが際立つ」**ように話すことを意味します。
例えば、「は・き・は・き・と・は・な・し・ま・す」 このように話すことで、音節の一つ一つは際立ちますが、その分、一つ一つの音は短く、ブツ切れになりがちです。
💡 英語の「ハッキリ発音」とは
一方、英語の「はっきりした発音」とは、**「重要な単語が際立った、伸びのある発音」**を指します。
もっと簡単に言えば、「メリハリのある発音」です。
これは「長い音(強く発音する部分)」と「短い音(脱力する部分)」の繰り返しで構成されます。イメージとしては、「はっきりと伸びる音」を「脱力した音」で滑らかにつないで発音する感じです。
例: We started it seven years ago. (私たちはそれを7年前に始めました)
カタカナ発音: ウィ・スターテッド・イット・セブン・イヤーズ・アゴー
メリハリ発音: /wi STAR dede SE vun YEEZ uh GOU / (ウィ スターディディセヴン イーーザゴウ)
このように、重要な単語(STAR, SE, YEEZ, GOUなど)の母音をしっかり伸ばし、それ以外(wi, dede, vun, uh)は脱力して短くつなげる。
これが英語の「はっきりとした発音」です。 「伸びる音」をより際立たせるために、結果として全体が滑らかにつながった発音になるのです。
カタカナ発音は「Choppy(ブツ切れ)」
もし、先ほどの文を日本語の「はっきり発音」のように、すべての音節を際立たせようとするとどうなるでしょう?
「ウィ!スター!テッ!ド!イッ!ト!セ!ブン!イ!ヤーズ!ア!ゴー!」
これでは、音節ごとに音がブツ切れになってしまいます。 本当に際立たせたい大事な音(STARなど)に十分な伸びが得られず、かえって非常に聞きにくい発音になってしまいます。
このようなブツ切れの発音を、英語では「Choppy(チョッピー)」と呼び、日本人訛りの典型例としてよく挙げられます。
🌊 流れる発音の土台「ブレスフロー」
では、どうすれば「メリハリがあり、かつ滑らかな」発音ができるのでしょうか。 単語一つ一つを綺麗に発音することよりも、フレーズ全体を通して「どれだけ滑らかに、かつ、くっきりと発音できるか」が重要です。
その鍵となるのが「ブレスフロー(息の流れ)」です。
大事なポイント:息を吐きながら全体をつなげて発音する
息の流れが途切れると、発音もブツ切れ(Choppy)になってしまいます。常に一定の息を流しながら、その息に音を乗せていくイメージを持ちましょう。
ブレスフローの作り方
あくびをして喉奥を広げる: 喉のリラックスが重要です。
息はソフトパレット(口の奥の柔らかい部分)に当てる: 喉から直接ではなく、口の奥で響かせる意識を持ちます。
子音を被せるように音をつなげる: 息の流れを止めずに、子音を「ポン」と乗せていく感覚です。
🗣️ 実践1:ブレスフロー・エクササイズ
「はっきり伸ばす音(ストレス)」を「脱力した音」でつなぎ、全体を滑らかに発音する練習です。
SAH sa SAH sa SAH sa (Sausage x3)
SA sa SA sa SA sa (Salmon x3)
→ It’s my favorite salmon sausage.
HAH ha HAH ha HAH ha (Hollywood x3)
HA ha HA ha HA ha (Handling x3)
→ You’re handling well in Hollywood.
MAH ma MAH ma MAH ma (Monster x3)
MA ma MA ma MA ma (Mango x3)
→ Those mangos are like monsters.
YA ya YA ya YA ya (Yams x3)
YEE yi YEE yi YEE yi (Years x3)
→ I haven’t had yams for years.
*ポイント: 喉を完全に閉じると Ear (耳) に、喉を狭めると Year (年) になります。
🎙️ 実践2:TEDで発音トレーニング
実際のネイティブの音声を使って、メリハリと滑らかさ(リンキング)をトレーニングしましょう。
題材: The inside story of ChatGPT's astonishing potential (Greg Brockman) 練習のポイント:
ストレス(強く・長く読む部分)をしっかり伸ばす。
脱力して滑らかに次のストレスまでつなぐ。
短いかたまりから始め、徐々に範囲を広げて発音します。
フレーズ別・発音解説
1. We started it seven years ago. /wi STAR dede SE vun YEEZ uh GOU /
started it が /STAR dede/ のように滑らかにつながります。
2. We started OpenAI /wi STAR ded OU pun EI-AI/
アルファベット(O, A, I)は全てにストレスが置かれ、はっきり発音されます。
3. seven years ago /SE vun YEER zuh GOU/
seven の /n/ と years の /y/ がくっつき、/vun YEER/ となります。
4. because we felt like /bi KAHZ wi FELt laik/
felt の最後の /t/ は発音されず(ミュート)、次の like につながります。
5. something really interesting /SUM thing REEh lee IN trus ting/
interesting の /ing/ の /g/ を「グ」と破裂させないよう注意。
6. was happening in AI /wuz HA puh ning in EI-AI/
in の /n/ が AI にくっつき、/ning in EI-AI/ → /ni nEI-AI/ のように聞こえます。
7. and we wanted to help steer it /en wee WAH ne du HELp STEEr it/
wanted の /nt/ が脱力し /ne/ のような音になり、to も /du/ と脱力します。
8. in a positive direction. /ina PAH si tiv di REK shun/
in a が /ina/ とつながり、positive の /i/ は全て脱力して曖昧な音になります。
9. It's honestly /its AH nust lee/
honestly の /t/ はミュートされます。
10. just really amazing to see /jus REEh lee-uh MEI zing tu SEE/
really の /r/ が just に食い込むように発音されます。
11. how far this whole field has come /hau FAR this HOUL FEEld-huz KUM/
field の /d/ と has の /h/ がつながり、/h/ が消えて /d/ が濁り /huz/ のように聞こえます。
12. since then. /SINS then/
軽く息を吹きかけるように。
補足:ストレス(強勢)の位置について
ストレスの位置に絶対的なルールはありませんが、傾向はあります。
基本的には、文の中で**意味の強い単語(名詞、動詞、形容詞など)**に置かれます。
ネイティブは「声を張って脱力する」を繰り返すのが発音しやすいため、「ダーダ・ダーダ・ダーダ」というリズムが英語のベースになっています。
🔁 実践3:完璧に真似る「コピーイング」練習法
今度は、少し長めのフレーズを滑らかにつないで発音する「コピーイング」に挑戦しましょう。 お手本の音声(動画など)を聴き、フレーズごとに音をストップさせ、リズム感やタイミングを完全に真似て発音してみます。
練習用フレーズ:
We started OpenAI seven years ago because we felt like something really interesting was happening in AI and we wanted to help steer it in a positive direction. It's honestly just really amazing to see how far this whole field has come since then.
By ドクターDイングリッシュ5
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英語と日本語、「はっきり」の根本的な違い
「英語は、単語同士を滑らかにつないで発音する(リンキング)のが良い」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、「一語一句はっきりと発音した方が丁寧で通じやすいのでは?」と疑問に思いませんか?
実は、英語の「はっきり」と日本語の「はっきり」は、根本的に方向性が異なります。
🔍 日本語の「ハッキリ発音」とは
日本人が「ハキハキ話す」時、それは**「一つ一つの音節(音の区切り)全てが際立つ」**ように話すことを意味します。
例えば、「は・き・は・き・と・は・な・し・ま・す」 このように話すことで、音節の一つ一つは際立ちますが、その分、一つ一つの音は短く、ブツ切れになりがちです。
💡 英語の「ハッキリ発音」とは
一方、英語の「はっきりした発音」とは、**「重要な単語が際立った、伸びのある発音」**を指します。
もっと簡単に言えば、「メリハリのある発音」です。
これは「長い音(強く発音する部分)」と「短い音(脱力する部分)」の繰り返しで構成されます。イメージとしては、「はっきりと伸びる音」を「脱力した音」で滑らかにつないで発音する感じです。
例: We started it seven years ago. (私たちはそれを7年前に始めました)
カタカナ発音: ウィ・スターテッド・イット・セブン・イヤーズ・アゴー
メリハリ発音: /wi STAR dede SE vun YEEZ uh GOU / (ウィ スターディディセヴン イーーザゴウ)
このように、重要な単語(STAR, SE, YEEZ, GOUなど)の母音をしっかり伸ばし、それ以外(wi, dede, vun, uh)は脱力して短くつなげる。
これが英語の「はっきりとした発音」です。 「伸びる音」をより際立たせるために、結果として全体が滑らかにつながった発音になるのです。
カタカナ発音は「Choppy(ブツ切れ)」
もし、先ほどの文を日本語の「はっきり発音」のように、すべての音節を際立たせようとするとどうなるでしょう?
「ウィ!スター!テッ!ド!イッ!ト!セ!ブン!イ!ヤーズ!ア!ゴー!」
これでは、音節ごとに音がブツ切れになってしまいます。 本当に際立たせたい大事な音(STARなど)に十分な伸びが得られず、かえって非常に聞きにくい発音になってしまいます。
このようなブツ切れの発音を、英語では「Choppy(チョッピー)」と呼び、日本人訛りの典型例としてよく挙げられます。
🌊 流れる発音の土台「ブレスフロー」
では、どうすれば「メリハリがあり、かつ滑らかな」発音ができるのでしょうか。 単語一つ一つを綺麗に発音することよりも、フレーズ全体を通して「どれだけ滑らかに、かつ、くっきりと発音できるか」が重要です。
その鍵となるのが「ブレスフロー(息の流れ)」です。
大事なポイント:息を吐きながら全体をつなげて発音する
息の流れが途切れると、発音もブツ切れ(Choppy)になってしまいます。常に一定の息を流しながら、その息に音を乗せていくイメージを持ちましょう。
ブレスフローの作り方
あくびをして喉奥を広げる: 喉のリラックスが重要です。
息はソフトパレット(口の奥の柔らかい部分)に当てる: 喉から直接ではなく、口の奥で響かせる意識を持ちます。
子音を被せるように音をつなげる: 息の流れを止めずに、子音を「ポン」と乗せていく感覚です。
🗣️ 実践1:ブレスフロー・エクササイズ
「はっきり伸ばす音(ストレス)」を「脱力した音」でつなぎ、全体を滑らかに発音する練習です。
SAH sa SAH sa SAH sa (Sausage x3)
SA sa SA sa SA sa (Salmon x3)
→ It’s my favorite salmon sausage.
HAH ha HAH ha HAH ha (Hollywood x3)
HA ha HA ha HA ha (Handling x3)
→ You’re handling well in Hollywood.
MAH ma MAH ma MAH ma (Monster x3)
MA ma MA ma MA ma (Mango x3)
→ Those mangos are like monsters.
YA ya YA ya YA ya (Yams x3)
YEE yi YEE yi YEE yi (Years x3)
→ I haven’t had yams for years.
*ポイント: 喉を完全に閉じると Ear (耳) に、喉を狭めると Year (年) になります。
🎙️ 実践2:TEDで発音トレーニング
実際のネイティブの音声を使って、メリハリと滑らかさ(リンキング)をトレーニングしましょう。
題材: The inside story of ChatGPT's astonishing potential (Greg Brockman) 練習のポイント:
ストレス(強く・長く読む部分)をしっかり伸ばす。
脱力して滑らかに次のストレスまでつなぐ。
短いかたまりから始め、徐々に範囲を広げて発音します。
フレーズ別・発音解説
1. We started it seven years ago. /wi STAR dede SE vun YEEZ uh GOU /
started it が /STAR dede/ のように滑らかにつながります。
2. We started OpenAI /wi STAR ded OU pun EI-AI/
アルファベット(O, A, I)は全てにストレスが置かれ、はっきり発音されます。
3. seven years ago /SE vun YEER zuh GOU/
seven の /n/ と years の /y/ がくっつき、/vun YEER/ となります。
4. because we felt like /bi KAHZ wi FELt laik/
felt の最後の /t/ は発音されず(ミュート)、次の like につながります。
5. something really interesting /SUM thing REEh lee IN trus ting/
interesting の /ing/ の /g/ を「グ」と破裂させないよう注意。
6. was happening in AI /wuz HA puh ning in EI-AI/
in の /n/ が AI にくっつき、/ning in EI-AI/ → /ni nEI-AI/ のように聞こえます。
7. and we wanted to help steer it /en wee WAH ne du HELp STEEr it/
wanted の /nt/ が脱力し /ne/ のような音になり、to も /du/ と脱力します。
8. in a positive direction. /ina PAH si tiv di REK shun/
in a が /ina/ とつながり、positive の /i/ は全て脱力して曖昧な音になります。
9. It's honestly /its AH nust lee/
honestly の /t/ はミュートされます。
10. just really amazing to see /jus REEh lee-uh MEI zing tu SEE/
really の /r/ が just に食い込むように発音されます。
11. how far this whole field has come /hau FAR this HOUL FEEld-huz KUM/
field の /d/ と has の /h/ がつながり、/h/ が消えて /d/ が濁り /huz/ のように聞こえます。
12. since then. /SINS then/
軽く息を吹きかけるように。
補足:ストレス(強勢)の位置について
ストレスの位置に絶対的なルールはありませんが、傾向はあります。
基本的には、文の中で**意味の強い単語(名詞、動詞、形容詞など)**に置かれます。
ネイティブは「声を張って脱力する」を繰り返すのが発音しやすいため、「ダーダ・ダーダ・ダーダ」というリズムが英語のベースになっています。
🔁 実践3:完璧に真似る「コピーイング」練習法
今度は、少し長めのフレーズを滑らかにつないで発音する「コピーイング」に挑戦しましょう。 お手本の音声(動画など)を聴き、フレーズごとに音をストップさせ、リズム感やタイミングを完全に真似て発音してみます。
練習用フレーズ:
We started OpenAI seven years ago because we felt like something really interesting was happening in AI and we wanted to help steer it in a positive direction. It's honestly just really amazing to see how far this whole field has come since then.

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