田舎坊主の読み聞かせ法話

「お釈迦様に会いたい」田舎坊主のぶつぶつ説法


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平成元年8月から9月にかけてはじめてインドへ行った。

インドカルカッタ(コルカタ)の空港に降り立った時の、あのムンムンした熱気、何とも表しようのない臭い、

そして「バクシーシ、バクシーシ(喜捨せよ)」と、まとわりついてくる物乞いの人たち。

また道ばたで手足が異常に腫れ上がった病体を見せつけて、

「バクシーシ、バクシーシ」と力なく金銭を要求する人たち。

空港から町に向かう道沿いのスラム街。

次々と私の目と耳と鼻と皮膚に入り込む「インド」は、今までにない最大のカルチャーショックだった。

以前、東京から若い女性がインドに旅したときの話を聞いたことがある。

インド・カルカッタに降り立ったその女性は、あまりのカルチャーショックに空港から出ることができず、次の飛行機を待ってそのまま帰国したというのだ。少し大げさだなあと思いながら、向学のため話だけは聞いていたのだが、決して大げさな話ではなかった。美しいものに囲まれ、汚いものは目に触れないようになっている都会生活に慣れた若い女性には、この町は一種の地獄だったのかも知れないのだ。

しかし、私にとってのこのカルチャーショックは、帰国してから、

「二度とインドに行きたくない」ではなく、

「ああ、またインドに行きたい」であった。

しばらく日本にいると、無性にインドに行きたくなるのだ。行きたくなって、気がついたら三度もインドに行っていた。

はじめて行ったインド旅行の目的は、お釈迦さまゆかりの地を巡拝することであった。

いずれは親のあとを継いで住職とならなければならない私にとって、せめてお釈迦さまが生まれたところ、修行説法したところ、亡くなったところは見ておかなければならないと思っていた。

合掌

4月からのシーズン2の読み聞かせ法話の本は

私の初版本で、2002年に出版した「田舎坊主のぶつぶつ説法」です。

後に「田舎坊主シリーズ」とつながる第1弾です。

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田舎坊主の読み聞かせ法話By 田舎坊主 森田良恒