田舎坊主の読み聞かせ法話

「お月さまに手をあわせる」エッセイ「田舎坊主の合掌」


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私は満月を見ると手をあわせてしまいます。そんな方は多いのではないでしょうか。

私事ですが、七年前、化膿性脊椎炎で腰の骨が溶け約六ヶ月寝たきりで入院していた時、病室の窓に満月が見えたときには、毎日続く激痛のため思わず泣きながら手をあわせたことを忘れることができません。

なぜお月さまに手をあわせるのでしょうか?

私たちの身体にあるお月さまーーー

月(にくづき)がたくさんあります。脳・肝・胃・胆・脾・肌・胸・脇・膵・股・肩・・・・
まるでお月さまでできているようです。

私たちの生活にあるお月さまーーー

暦一月~十二月。
付かず離れずとても大切なもとして、自分のおかれている位置や時間を教えてくれています。これを無視して生活している人はいないでしょう。

私たちの生きる月々の糧はーーー

多くの人が月々の月給で野菜、魚、お肉などを買い自分・家族の身体を養います。
たくさんの命あるものを食し、すべてが血となり肉となって命をつないでいます。
月々の糧が自分の「にくづき」に循環していきます。

月は天空にありながら私たちと深く繋がり、関わりを持っているのだと思うのです。
だからこそ手をあわせるのでしょう。

健康であること、元気に働けること、話せること、聞けること。そんな自分をこの世に生んでくれたことにつながるたくさんのご先祖にも・・・・。

たくさんの感謝を込めてお月さまに手をあわせるのではないでしょうか。

お月さまに手を合わせるもう一つ大切なことはーーー
今、自分が健康で元気に働くことができることに感謝するとともに、病気で苦しむ人や困難な環境に置かれ苦しんでいる人の安寧を祈ることも忘れてはならないと思うのです。

もうすぐ彼岸の中日ーーー
昼と夜の時間が同じでどちらにも偏らない秋分の日。お彼岸の中日です。
お月さまに手をあわせる時、つらい状況に置かれている人のことを思い祈る気持ちは、まさに偏りのない考え方、中道の教えの実践だと思うのです。

合掌

和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺

不動坊 良恒

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田舎坊主の読み聞かせ法話By 田舎坊主 森田良恒