田舎坊主の読み聞かせ法話

田舎坊主のぶつぶつ説法「はじめに ー坊主になりたくないー」


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はじめに

私が中学三年生のころ、なりたくないものが三つありました。それは寺の坊主と学校の先生と役場勤めです。

父親は役場に勤めながら田舎の貧乏寺の住職を兼務していました。

反抗期の私は「寺は長男が継ぐものだ」と思っていました。

しかし兄たちは(私は三男)違う道を歩んでいたため、どうしても私を坊主の修業に行かせなければと親が決めてから、私の反抗も頂点に達し、

学校の三学期のテストはすべて白紙回答で提出し、中学卒業さえ拒んだのです。

しかし白紙回答を出すたび担任や各学科の先生から土下座での謝罪を強制され、以来学校の先生にもなりたくなかったのです。

それに、親がよく口にする「寺を継げ」と言う言葉のウラにある「役場に勤めながらできるやないか」もイヤだったのです。


あれから数十年、人生とは皮肉なもので、招請されるままにあれほど嫌がっていた役場勤めも学校の先生も経験してしまいました。

親の説教と冷や酒はあとで効いてくるというお話もありますが、この頃ようやく「私には坊主が合ってるのかなあ」と思えるようになってきました。

それは私自身の体験や、そして難病患者や社会的弱者とのかかわりの中に、田舎坊主として生きていく上で最も大切なものがあるような気がするからこそ、

そう思えるのかもしれません。

今はほとんど人の訪れることもない古い寺の縁側に腰を下ろし、綽然として眼下に紀の川の清流を望む静寂な風景を想像しながら、しばらくの間、

田舎坊主のぶつぶつ説法の話にお付き合い願えればありがたいと思います。

合掌

和歌山県紀の川市 瑞宝山不動寺

不動坊 良恒


4月からのシーズン2の読み聞かせ法話の本は

私の初版本で、2002年に出版した「田舎坊主のぶつぶつ説法」です。

後に「田舎坊主シリーズ」とつながる第1弾です。

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田舎坊主の読み聞かせ法話By 田舎坊主 森田良恒