田舎坊主の読み聞かせ法話

「田舎の法事 ーあわてもののハトー」田舎坊主のぶつぶつ説法


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法事での読経と法話が終わると、みんなでお墓参りをする。

この地方は、自分の所有地の畑や山に墓地をもっている人が多い。いわゆる自墓地である。

共同墓地もあるが、数軒から多くても数十軒程度の規模の小さいものだ。

これらの墓には、ほとんどと言っていいほど、ハトが居着いていて、墓参りの人たちを待ち受けているのだ。

というのは、当地には「施餓鬼」の意味を持っていると考えられる「おばなし」という、洗い米を供える風習がある。

ハトはこの「おばなし」を待っているのだ。

ハトは、お経を唱える間、少し遠くからこちらをながめて、のんびりと終わるのを待っているのが、いつものハトの行動だ。

先日のことである。ハトにも「あわてもの」がいることが分かった。

私が、打ち鳴らしの鐘を鳴らしはじめるのも待ち遠しいのか、墓石の上にとまり、「おばなし」を急かすのである。

二つの花立て石の中央にある、小さく掘られた皿の上に「おばなし」を置くや否や、お経を拝んでいようが、鐘をならそうが、水を手向けようが、そのハトは必死で米を食べているのである。

ハトが墓地で見られるようになって20年以上、こんなに図々しいハトに出会ったのははじめてである。

そういえば、この墓石の下に眠るご先祖は、かなりのあわて者だったことを思い出した。

合掌


4月からのシーズン2の読み聞かせ法話の本は

私の初版本で、2002年に出版した「田舎坊主のぶつぶつ説法」です。

後に「田舎坊主シリーズ」とつながる第1弾です。

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田舎坊主の読み聞かせ法話By 田舎坊主 森田良恒