孤独の中の神に祝福リスト「詩的で宗教的な調べ」の第三曲孤独と聞いて思い出したのは、リストのこの曲でした。人は何故、孤独を嫌い、孤独に救いを求めるのでしょうか。その答えは、私にはわかりそうもありません。ただ、リストのこの曲を聴く限り、リストが生きた200年前と、おそらく人間の心情は何も変わってないのだな、と思います。私は、孤独と聞くと、ただただ寂しい、暗いというよりも、何かこう救いを求めるような、病的な清潔感のようなものを感じます。そして、そのような感情や気配は、香りみたいなものは、物や場所にも宿るんじゃないか、とも思うんです。もちろんそれは、人間が勝手に感情的に、脳内で思い出保管の声をつくり出しているだけかもしれません。でも少し、想像してみてください。統廃合になった空の小学校こっそりつくった隠れ家神社の裏の竹林森の奥に潜む忘れられた寺院小さい頃よく夢にでてきたあの場所そこからは何か、声が聞こえる気がしませんか?もしそう感じたら、あなたの中にある、その場所の声。たまには、その声に耳を傾けてみてはどうでしょうか。その声に孤独を感じ、誰かどこかの見えない何かが、救われるかもしれません。