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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
<<われらの法学 5(刑事手続、裁判員制度)>>
ラジオ
参考文献:村田彰(楠元純一郎共著)『リーガルスタディー現代法学入門』(中央経済社・2018年)
1 刑事手続
刑法(criminal law)は、罪(crime)と罰(penalty、punishment)に関する法です.
罪と罰といえば、ドストエフスキーの小説「罪と罰」ですね。ある貧困な元大学生が、高利貸しの老婆を殺害し、その奪ったお金で世のために善行を施そうとしますが、その後、罪の意識で苦悩しつつ、最後に自首する話で、哲学的な問いを投げかける物語です。
参考:ドストエフスキー『罪と罰』
カフカ 『審判』
日本映画『羅生門』(黒澤明)
アメリカ映画『12人の怒れる男(12 Angry Men)』
ヘーゲル哲学「理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である。」
その刑法の執行に関する手続について定めた法律→刑事訴訟法
刑事訴訟法(刑訴法)の目的
刑罰法令の適正な適用実現→犯人の適正な処罰
実体的真実主義
可能な限り真相に近い事実を追求
犯人必罰主義
無辜の不処罰主義
適正手続の保障(憲31条)
デュープロセス・オブ・ロー(due process of law)
刑罰は人の生命・自由を奪う→刑事手続は、法律によって定められた適正な手続で行われねばならない。
刑事手続
① 捜査 ② 起訴 ③ 公判
捜査
証拠の収集・保全と被疑者の確保
捜査機関
一般司法警察職員(警察官)
特別司法警察職員(海上保安官等)
検察官
強制捜査
逮捕・勾留・捜索・差押←令状主義(裁判官の発する令状)
起訴(公訴の提起)
公訴の提起とは、裁判所に審理・判決を求める検察官の意思表示
国家訴追主義(検察官の起訴独占主義)
起訴猶予処分(起訴便宜主義)
予断排除の原則(起訴状一本主義)←裁判官に予断を与えないよう起訴状だけを提出
公判(起訴から裁判確定までの手続)
当事者主義→検察官がどのような犯罪事実を主張し、どのような証拠を提出するか、それに対して、被告人・弁護人がどのように反論・反証するかの主導権は当事者に。
冒頭手続
人定質問
検察官の起訴状朗読
被告人に対する黙秘権等の告知
被告人・弁護人の陳述の機会
罪状認否
証拠調べ
証人尋問
証拠書類の朗読
証拠物の展示
被告人質問
検察官の論告・求刑
弁護人の最終弁論・被告人の最終陳述
宣告(判決)
裁判官の自由心証主義
有罪・無罪
推定無罪(疑わしきは被告人の利益に)
2 裁判員制度(2009(平成21)年5月21日施行)
「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」
裁判員制度とは?
一定の重大な犯罪事件について、一般国民から選ばれた者が裁判員として裁判官とともに刑事訴訟手続に関与する制度
目的→司法に対する国民の理解の増進・信頼の向上に資すること
一定の重大犯罪とは?
① 死刑または無期懲役・禁固に当たる罪(殺人、強盗致死傷、現住建造物等放火等)
② 法定合議事件(死刑または無期もしくは短期1年以上の懲役・禁固(強盗等を除く)で、3人の裁判官による合議体で審判すべきもののうち、故意に被害者を死亡させた罪(傷害致死、危険運転致死等)
合議体の構成
裁判官3人(内1人は裁判長)、裁判員6人
事実認定、法令の適用、刑の量定
ただし、訴訟手続に関する問題・法律の解釈→裁判官のみが判断)
裁判員には証人への質問権もあり
裁判員の選任
衆議院議員の選挙権を有する者の中の選挙人名簿登録者の中から、毎年くしで選出され、地方裁判所が選任
裁判員になれない人→国会議員、行政機関幹部職員、法曹、大学の法律学の教授、その他、法定欠格事由のある人(成年被後見人)、不適格事由(被害者等)。
辞退できる人→70歳以上、親族の介護、養育者、学生・生徒など。
裁判手続
公判前整理手続←争点、証拠の整理
公判手続→裁判官、検察官および弁護人は裁判員の負担が過重なものとならないようにしつつ、裁判員がその職責を十分に果たせるよう、審理を迅速でわかりやすいものとするよう努めなければならない。
評決 → 構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数
の過半数の意見 → 裁判官3人全員が反対で、裁判員6人が全員、有罪の意見の場合→有罪評決はできない。
裁判員の守秘義務・裁判員保護措置
裁判員の日当 裁判員の方には1日1万円以内,裁判員候補者の方には1日8000円以内の日当をお支払いすることになっています(旅費は,日当とは別にお支払いします。また,遠方等で宿泊が必要な方については,宿泊料についてもお支払いします)。(法務省ホームページから)
中国人民陪審員制度 司法の公正性を促進すること
裁判官3人
陪審員4人
多数決
By Leo_楠元纯一郎オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
<<われらの法学 5(刑事手続、裁判員制度)>>
ラジオ
参考文献:村田彰(楠元純一郎共著)『リーガルスタディー現代法学入門』(中央経済社・2018年)
1 刑事手続
刑法(criminal law)は、罪(crime)と罰(penalty、punishment)に関する法です.
罪と罰といえば、ドストエフスキーの小説「罪と罰」ですね。ある貧困な元大学生が、高利貸しの老婆を殺害し、その奪ったお金で世のために善行を施そうとしますが、その後、罪の意識で苦悩しつつ、最後に自首する話で、哲学的な問いを投げかける物語です。
参考:ドストエフスキー『罪と罰』
カフカ 『審判』
日本映画『羅生門』(黒澤明)
アメリカ映画『12人の怒れる男(12 Angry Men)』
ヘーゲル哲学「理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である。」
その刑法の執行に関する手続について定めた法律→刑事訴訟法
刑事訴訟法(刑訴法)の目的
刑罰法令の適正な適用実現→犯人の適正な処罰
実体的真実主義
可能な限り真相に近い事実を追求
犯人必罰主義
無辜の不処罰主義
適正手続の保障(憲31条)
デュープロセス・オブ・ロー(due process of law)
刑罰は人の生命・自由を奪う→刑事手続は、法律によって定められた適正な手続で行われねばならない。
刑事手続
① 捜査 ② 起訴 ③ 公判
捜査
証拠の収集・保全と被疑者の確保
捜査機関
一般司法警察職員(警察官)
特別司法警察職員(海上保安官等)
検察官
強制捜査
逮捕・勾留・捜索・差押←令状主義(裁判官の発する令状)
起訴(公訴の提起)
公訴の提起とは、裁判所に審理・判決を求める検察官の意思表示
国家訴追主義(検察官の起訴独占主義)
起訴猶予処分(起訴便宜主義)
予断排除の原則(起訴状一本主義)←裁判官に予断を与えないよう起訴状だけを提出
公判(起訴から裁判確定までの手続)
当事者主義→検察官がどのような犯罪事実を主張し、どのような証拠を提出するか、それに対して、被告人・弁護人がどのように反論・反証するかの主導権は当事者に。
冒頭手続
人定質問
検察官の起訴状朗読
被告人に対する黙秘権等の告知
被告人・弁護人の陳述の機会
罪状認否
証拠調べ
証人尋問
証拠書類の朗読
証拠物の展示
被告人質問
検察官の論告・求刑
弁護人の最終弁論・被告人の最終陳述
宣告(判決)
裁判官の自由心証主義
有罪・無罪
推定無罪(疑わしきは被告人の利益に)
2 裁判員制度(2009(平成21)年5月21日施行)
「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」
裁判員制度とは?
一定の重大な犯罪事件について、一般国民から選ばれた者が裁判員として裁判官とともに刑事訴訟手続に関与する制度
目的→司法に対する国民の理解の増進・信頼の向上に資すること
一定の重大犯罪とは?
① 死刑または無期懲役・禁固に当たる罪(殺人、強盗致死傷、現住建造物等放火等)
② 法定合議事件(死刑または無期もしくは短期1年以上の懲役・禁固(強盗等を除く)で、3人の裁判官による合議体で審判すべきもののうち、故意に被害者を死亡させた罪(傷害致死、危険運転致死等)
合議体の構成
裁判官3人(内1人は裁判長)、裁判員6人
事実認定、法令の適用、刑の量定
ただし、訴訟手続に関する問題・法律の解釈→裁判官のみが判断)
裁判員には証人への質問権もあり
裁判員の選任
衆議院議員の選挙権を有する者の中の選挙人名簿登録者の中から、毎年くしで選出され、地方裁判所が選任
裁判員になれない人→国会議員、行政機関幹部職員、法曹、大学の法律学の教授、その他、法定欠格事由のある人(成年被後見人)、不適格事由(被害者等)。
辞退できる人→70歳以上、親族の介護、養育者、学生・生徒など。
裁判手続
公判前整理手続←争点、証拠の整理
公判手続→裁判官、検察官および弁護人は裁判員の負担が過重なものとならないようにしつつ、裁判員がその職責を十分に果たせるよう、審理を迅速でわかりやすいものとするよう努めなければならない。
評決 → 構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数
の過半数の意見 → 裁判官3人全員が反対で、裁判員6人が全員、有罪の意見の場合→有罪評決はできない。
裁判員の守秘義務・裁判員保護措置
裁判員の日当 裁判員の方には1日1万円以内,裁判員候補者の方には1日8000円以内の日当をお支払いすることになっています(旅費は,日当とは別にお支払いします。また,遠方等で宿泊が必要な方については,宿泊料についてもお支払いします)。(法務省ホームページから)
中国人民陪審員制度 司法の公正性を促進すること
裁判官3人
陪審員4人
多数決