われらの法学 レオンラジオ 楠元純一郎

われらの法学入门10 在日本,抢道行驶会判几年 消費者契約法 不法行為 交通事故と法


Listen Later

オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」

エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」

作詞作曲 楠元純一郎

編曲 山之内馨


パーソナリティー 楠元純一郎  東洋大学教授       

パーソナリティー レオー        美術家            

ゲスト                   松尾欣治   哲学者・大学外部総合評価者 

ゲスト                     贾林              大学院博士課程  


<われらの法学入門10(消費者契約法・不法行為・交通事故と法)>


ラジオ20200630


村田彰編『リーガルスタディー現代法学入門』(中央経済社・2018年)参照


1 消費者契約法

  2001年制定→消費者と事業者との間の「情報の質および量ならびに交渉力の格差」→消費者は弱者→民法の特別法

     「事業者の一定の行為により消費者が誤認し、または困惑した場合等について契約の申込みまたはその承諾の意思表示を取り消すことができ」、「事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部または一部を無効と」し、

     「消費者の被害の発生または拡大を防止するための適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとする」ことにより、

     「消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」。

※適格消費者団体→不特定かつ多数の消費者の利益のために差止請求権を行使するのに必要な適格性を有する法人である消費者団体として、内閣総理大臣の認定を受けた者(消費者2条4項)。

※団体訴訟制度

       →適格消費者団体が、不特定多数の消費者の利益を擁護するために、差止めを求めることができる制度(差止請求)

    ※差止請求→行為の予防または当該行為に供した物の廃棄もしくは除去その他の当該行為の停止もしくは予防に必要な措置を請求すること等。

  →不当な事業者に対して適格消費者団体が消費者に代わって被害の集団的な回復を求めることができる制度(被害回復)


2017年消費者契約法改正


(1) 不実告知により取消しのできる重要事項の拡大

    契約目的の質、用途およびその他の内容ならびに対価の他の契約条件+契約の前提となる客観的事実(動機)

 たとえば、湿度が高く換気扇が必要だといわれて契約したにもかかわらず、湿度の数値等換気扇設置の根拠がない場合


(2) 過量契約による取消しの新設

契約の目的物の量、回数および期間が、当該消費者にとって通常の分量等を著しく超え、かつ事業者がそれを知って契約した場合


(3) 無効となる不当条項の追加

事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項

契約目的物の隠れた瑕疵および仕事の目的物に瑕疵があることにより生じた解除権を放棄させる条項


(4) 無効となる消費者の利益を一方的に害する事項

 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな契約の申込承諾をしたとみなす条項


(5) 取消権行使後の返還義務の範囲の明確化

 消費者契約を取り消した場合に受領したものを返還する範囲→「現に利益を受けている限度において返還義務を有する」


(6) 消費者取消権の行使期間の伸長

 追認をすることができる時から1年間、当該消費契約の締結の時から5年。


2 不法行為

  不法行為に基づく損害賠償請求権→意思表示で発生する債権ではなく、故意または偶然の事実関係により生じる。

 「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」(民709条)

       加害者――→被害者

     ←――

      (損害賠償請求)

<要件>


(1) 故意・過失  ※過失→損害発生の予見可能な結果につき、予見結果回避義務違反


(2) 権利または法律上保護される利益の侵害


(3) 損害の発生・損害額  ※財産的損害・精神的損害


(4) 相当因果関係  ※「あれなければこれなし」の因果関係よりも、範囲を狭く絞る。


(5) 加害者の責任能力 ※責任無能力者でもその監督義務者は責任を負う。


阻却事由→正当防衛、緊急避難、正当行為


3 交通事故


    (1) 刑事責任

 従来は、刑法上の業務上過失致死傷罪「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も同様とする。」(刑211条)が適用されてきた。


   しかし、最近は重罰化され、特別法が制定されている。


 刑法の特別法→自動車運転致死傷処罰法「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(2013年)

 基本→「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」(同法5条)

 その他、刑法の特別法として、危険運転致死傷罪、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪等。


 また、最近の道路交通法の改正として、


いわゆる、「ながらスマホ運転」について、令和元年12月に施行され、罰則や反則金、違反点数が厳罰化された。


いわゆる「あおり運転」につき、妨害運転罪が本日令和2年6月30日施行された。

 →他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行えば、最大で懲役3年の刑に、また、妨害運転により著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられることとなった。妨害運転者は運転免許も取り消される。



(2) 行政責任

 →公安委員会による運転免許取消し、停止処分



(3) 民事責任

     →不法行為責任(民709条)、自賠責保険への強制加入、任意保険(とくに、対人賠償無制限が重要)



...more
View all episodesView all episodes
Download on the App Store

われらの法学 レオンラジオ 楠元純一郎By Leo_楠元纯一郎