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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
パーソナリティー 楠元純一郎 東洋大学教授
パーソナリティー レオー 美術家
ゲスト 松尾欣治 哲学者・大学外部総合評価者
ゲスト 张红 法学者・律师
ゲスト 贾林 大学院博士課程
<われらの法学入門12(雇用契約・労働契約、公正証書、預金契約)>
ラジオ収録20200714
村田彰編『リーガルスタディー現代法学入門』(中央経済社・2018年)参照
1 雇用契約・労働契約
民法上の人の労力(役務)を対象とする契約
→ 雇用契約、請負契約、委任契約(業務委託契約)、寄託契約
雇用契約→当事者の一方(労務者)が相手方(使用者)のために労働に従事し、これに対して使用者が報酬を支払う契約(民623条)
民法→契約自由の原則、過失責任の原則を基礎→使用者と労務者の対等な立場を前提→契約内容は当事者の合意に委ねている。
しかし、経済的・社会的な格差により、
使用者>労務者(不利な内容でも契約を締結せざるを得ない)
労災→過失責任の原則→補償を受けることが困難
民法の原則の修正→労働者の生存権の保障・国家による干渉→労働法分野
労働三法→「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」
その他、労働法→「最低賃金法」,「労働契約法」,「男女雇用機会均等法」,「労働者派遣法」
労働基準法・最低賃金法・安全衛生法→労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むための最低基準→これらの法が適用される契約→労働契約←行政監督・罰則つき
業務委託契約は労働契約か?
当事者間に使用従属関係があり、指揮監督命令下で労務を供給するかどうか?
2 公正証書
公証制度→公証とは、私人間の権利や法律関係にある事項を公に証明する国の作用。
公証人→国の機関として公の証明(公証作用という公務)を職務として行う者←法務局・地方法務局に所属→ただし、国から報酬、給与等の支給は受けない→公証人手数料令に基づく手数料収入
公証人にはどのような人がなる?→裁判官、検察官、弁護士、多年法務事務に携わり裁判官、検察官等に準ずる学識経験を有する者で、公証人特別任用審査会の選考を経た者(公証13条の2)
公証人の執務する事務所→公証役場
公証人の職務内容
公正証書の作成(公証1条1号)
公正証書→私人からの嘱託により、公証人がその権限において作成する文書
契約に関する公正証書→金銭消費貸借、土地建物賃貸借、任意後見
単独行為に関する公正証書→遺言
事実実験公正証書→権利義務や法律上の地位に関する重要な事実について、公証人が五感の作用で認識した結果を記述するもの→特許権成立以前の先使用権の存在を証明するもの
尊厳死宣言公正証書
認証
私署証書の署名または記名押印の認証→文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたものと推定
宣誓認証→内容が虚偽であることを知りながら公証人の前で「自己のものに相違ない」と宣誓→10万円以下の過料
外国文認証→外国語で作成された私署証書に対する認証および日本語で作成され外国において使用される私署証書に対する認証。
※法務局長の証明→外務省の公印証明→仕向国の駐日大使館(領事館)で領事認証→ハーグ条約により簡略化され、外務省の公印証明で十分。
定款認証(公証人1条3号)→法人の目的、内部組織、活動に関する根本規則を記載した定款の認証
3 預金契約
銀行預金→口座開設→預金契約→金銭消費寄託契約(民666条)
誤振込(ごふりこみ)の問題
振込依頼人A→送金予定→B
↓(誤振込)
甲銀行C
判例「振込依頼人Aと受取人Cとの間に振込の原因となるべき事実がなくてもCと甲銀行との間に預金契約が成立する」(最判平成8・4・26民集50巻5号1267)
預金の払戻し
届出印(銀行印)と通帳(預金証書)持参 +本人確認(実務)
(旧民法)債権者の準占有者(預金者のような外観のある者)に対する弁済は有効(旧民478条)
→(債権法改正後)受領権者以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する(改民478)。→預金者の銀行に対する預金債権は消滅(銀行免責)。
預金保険制度→預金保険法→一般預金(普通預金、定期預金等)→預金者一人あたり1000万円までの元本および利息を保護。
オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
パーソナリティー 楠元純一郎 東洋大学教授
パーソナリティー レオー 美術家
ゲスト 松尾欣治 哲学者・大学外部総合評価者
ゲスト 张红 法学者・律师
ゲスト 贾林 大学院博士課程
<われらの法学入門12(雇用契約・労働契約、公正証書、預金契約)>
ラジオ収録20200714
村田彰編『リーガルスタディー現代法学入門』(中央経済社・2018年)参照
1 雇用契約・労働契約
民法上の人の労力(役務)を対象とする契約
→ 雇用契約、請負契約、委任契約(業務委託契約)、寄託契約
雇用契約→当事者の一方(労務者)が相手方(使用者)のために労働に従事し、これに対して使用者が報酬を支払う契約(民623条)
民法→契約自由の原則、過失責任の原則を基礎→使用者と労務者の対等な立場を前提→契約内容は当事者の合意に委ねている。
しかし、経済的・社会的な格差により、
使用者>労務者(不利な内容でも契約を締結せざるを得ない)
労災→過失責任の原則→補償を受けることが困難
民法の原則の修正→労働者の生存権の保障・国家による干渉→労働法分野
労働三法→「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」
その他、労働法→「最低賃金法」,「労働契約法」,「男女雇用機会均等法」,「労働者派遣法」
労働基準法・最低賃金法・安全衛生法→労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むための最低基準→これらの法が適用される契約→労働契約←行政監督・罰則つき
業務委託契約は労働契約か?
当事者間に使用従属関係があり、指揮監督命令下で労務を供給するかどうか?
2 公正証書
公証制度→公証とは、私人間の権利や法律関係にある事項を公に証明する国の作用。
公証人→国の機関として公の証明(公証作用という公務)を職務として行う者←法務局・地方法務局に所属→ただし、国から報酬、給与等の支給は受けない→公証人手数料令に基づく手数料収入
公証人にはどのような人がなる?→裁判官、検察官、弁護士、多年法務事務に携わり裁判官、検察官等に準ずる学識経験を有する者で、公証人特別任用審査会の選考を経た者(公証13条の2)
公証人の執務する事務所→公証役場
公証人の職務内容
公正証書の作成(公証1条1号)
公正証書→私人からの嘱託により、公証人がその権限において作成する文書
契約に関する公正証書→金銭消費貸借、土地建物賃貸借、任意後見
単独行為に関する公正証書→遺言
事実実験公正証書→権利義務や法律上の地位に関する重要な事実について、公証人が五感の作用で認識した結果を記述するもの→特許権成立以前の先使用権の存在を証明するもの
尊厳死宣言公正証書
認証
私署証書の署名または記名押印の認証→文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたものと推定
宣誓認証→内容が虚偽であることを知りながら公証人の前で「自己のものに相違ない」と宣誓→10万円以下の過料
外国文認証→外国語で作成された私署証書に対する認証および日本語で作成され外国において使用される私署証書に対する認証。
※法務局長の証明→外務省の公印証明→仕向国の駐日大使館(領事館)で領事認証→ハーグ条約により簡略化され、外務省の公印証明で十分。
定款認証(公証人1条3号)→法人の目的、内部組織、活動に関する根本規則を記載した定款の認証
3 預金契約
銀行預金→口座開設→預金契約→金銭消費寄託契約(民666条)
誤振込(ごふりこみ)の問題
振込依頼人A→送金予定→B
↓(誤振込)
甲銀行C
判例「振込依頼人Aと受取人Cとの間に振込の原因となるべき事実がなくてもCと甲銀行との間に預金契約が成立する」(最判平成8・4・26民集50巻5号1267)
預金の払戻し
届出印(銀行印)と通帳(預金証書)持参 +本人確認(実務)
(旧民法)債権者の準占有者(預金者のような外観のある者)に対する弁済は有効(旧民478条)
→(債権法改正後)受領権者以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する(改民478)。→預金者の銀行に対する預金債権は消滅(銀行免責)。
預金保険制度→預金保険法→一般預金(普通預金、定期預金等)→預金者一人あたり1000万円までの元本および利息を保護。