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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
<LeoNRadio日の出 われらの法学入門19(議院内閣制、行政と法)>
ラジオ収録20201031
講師 楠元純一郎(法学者)
録音師 レオー(美術家)
ゲスト 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
jialin(大学院博士課程)
議院内閣制、行政と法
議院内閣制
→議会(立法府)と内閣(行政府)の分立を前提として、
議会の信任を内閣の存立の必要条件とする仕組み
イギリスで発展してきた立法府と行政府の関係のあり方の一つ
アメリカの大統領制との比較
大統領制→国民が立法権を担う議会とは別個に行政権の主体たる大統領を選出する仕組み
共通点
権力分立の仕組みを採用している点
相違点
任期 議院内閣制→一定でない(衆議院の解散があるから)
大統領制→一定
独任制 議院内閣制→合議制、大統領制→独任制
分立・協調 議院内閣制→協調重視、大統領制→立法府と行政府の厳格な分立
議院内閣制の本質
①立法府と行政府とが一応分立していること
②内閣が議会に対して連帯責任を負っていること
③内閣が議会の解散権を有すること
日本国憲法における議院内閣制の表れ
内閣の国会に対する連帯責任(憲66条3項)
国会による内閣総理大臣の国会議員の中からの議決による指名(憲67条)(任命は天皇→憲6条1項)。
内閣総理大臣および過半数の国務大臣を国会議員の中からの選出(憲67条1項、68条1項ただし書)
衆議院による内閣不信任決議(憲69条)
衆議院の解散
→国会と内閣との間に生じた政治的対立を調整し、政治に安定をもたらし、民意を国政に的確に反映させる(選挙により民意を問う)機能
解散権 天皇→国事行為としての解散(憲7条3号)→天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない(憲4条1項)。→天皇には政治判断を行う実質的権限はない。
内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない(憲69条)。→内閣総理大臣が判断→内閣不信任案可決または信任案否決され、総辞職をしないときだけ解散が認められるのか?→否→憲法7条3号の解釈から、実質的な解散権は内閣(総理大臣)に一般的に認められる。→学説には、だからといって無限定ではないとの意見あり。→果たしてそうか?
解散したら?
衆議院の解散→任期満了前に議員の地位を喪失→選挙を通じて国民に信を問う→「国会議員、選挙に落ちればただの人。」
行政と法
行政処分
「公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」(最判昭39・10・29民集18・8・1809)
→①公権力であること(権力性)
②国民の権利義務を変動させること(法効果性)
③特定人の権利義務を直接具体的に決定すること(直接具体性)
行政処分の具体例
法の支配
行政は相手方である国民の意思いかんを問わずその権利や自由を制限できるから、これを行政の好き勝手に任せるわけには行かない→法の制約に服させる必要→法の支配(Rule of Law)・法治主義
①行政活動はすべからく、憲法・法律・政省令・条例などすべての法に違反してはならない→法の優越
②国民の権利を侵害する行政活動は法に違反しないだけでなく、国会制定法たる法律の具体的な根拠が必要→法律の留保
③公正な行政、透明な行政、公衆参加を確保する観点から→行政手続法
④違法な行政活動が行われた場合、裁判所が違法性を審判、国民の権利利益を救済→司法審査→行政事件訴訟法、国家賠償法
オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
<LeoNRadio日の出 われらの法学入門19(議院内閣制、行政と法)>
ラジオ収録20201031
講師 楠元純一郎(法学者)
録音師 レオー(美術家)
ゲスト 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
jialin(大学院博士課程)
議院内閣制、行政と法
議院内閣制
→議会(立法府)と内閣(行政府)の分立を前提として、
議会の信任を内閣の存立の必要条件とする仕組み
イギリスで発展してきた立法府と行政府の関係のあり方の一つ
アメリカの大統領制との比較
大統領制→国民が立法権を担う議会とは別個に行政権の主体たる大統領を選出する仕組み
共通点
権力分立の仕組みを採用している点
相違点
任期 議院内閣制→一定でない(衆議院の解散があるから)
大統領制→一定
独任制 議院内閣制→合議制、大統領制→独任制
分立・協調 議院内閣制→協調重視、大統領制→立法府と行政府の厳格な分立
議院内閣制の本質
①立法府と行政府とが一応分立していること
②内閣が議会に対して連帯責任を負っていること
③内閣が議会の解散権を有すること
日本国憲法における議院内閣制の表れ
内閣の国会に対する連帯責任(憲66条3項)
国会による内閣総理大臣の国会議員の中からの議決による指名(憲67条)(任命は天皇→憲6条1項)。
内閣総理大臣および過半数の国務大臣を国会議員の中からの選出(憲67条1項、68条1項ただし書)
衆議院による内閣不信任決議(憲69条)
衆議院の解散
→国会と内閣との間に生じた政治的対立を調整し、政治に安定をもたらし、民意を国政に的確に反映させる(選挙により民意を問う)機能
解散権 天皇→国事行為としての解散(憲7条3号)→天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない(憲4条1項)。→天皇には政治判断を行う実質的権限はない。
内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない(憲69条)。→内閣総理大臣が判断→内閣不信任案可決または信任案否決され、総辞職をしないときだけ解散が認められるのか?→否→憲法7条3号の解釈から、実質的な解散権は内閣(総理大臣)に一般的に認められる。→学説には、だからといって無限定ではないとの意見あり。→果たしてそうか?
解散したら?
衆議院の解散→任期満了前に議員の地位を喪失→選挙を通じて国民に信を問う→「国会議員、選挙に落ちればただの人。」
行政と法
行政処分
「公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」(最判昭39・10・29民集18・8・1809)
→①公権力であること(権力性)
②国民の権利義務を変動させること(法効果性)
③特定人の権利義務を直接具体的に決定すること(直接具体性)
行政処分の具体例
法の支配
行政は相手方である国民の意思いかんを問わずその権利や自由を制限できるから、これを行政の好き勝手に任せるわけには行かない→法の制約に服させる必要→法の支配(Rule of Law)・法治主義
①行政活動はすべからく、憲法・法律・政省令・条例などすべての法に違反してはならない→法の優越
②国民の権利を侵害する行政活動は法に違反しないだけでなく、国会制定法たる法律の具体的な根拠が必要→法律の留保
③公正な行政、透明な行政、公衆参加を確保する観点から→行政手続法
④違法な行政活動が行われた場合、裁判所が違法性を審判、国民の権利利益を救済→司法審査→行政事件訴訟法、国家賠償法