われらの法学 レオンラジオ 楠元純一郎

われらの法学入門23 宗教自由 政教分离


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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」

エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」

作詞作曲 楠元純一郎

編曲 山之内馨



<LeoNRadio日の出 われらの法学入門23(宗教の自由・政教分離)>ラジオ収録20201128


講師 楠元純一郎(法学者)

録音師 レオー(美術家)

ゲスト 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)

jialin(大学院博士課程)



信教(宗教)の自由(憲20条)

基本的人権の中の自由権の中の精神の自由の一つ

政教分離


憲20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。


 →憲20条1項後段→「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」

  →憲20条3項→「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」 

  →憲89条→「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」


 政教分離原則→国民の具体的権利を保障するものではなく、単に、国家と宗教が分離すべきことを定めたにすぎない。→国家が政教分離原則に反する行為をしたからといって、直ちに裁判所に救済を求めることができるというわけではない。しかし、これによって個人の自由が侵害された場合は信教の自由の侵害として裁判所に救済を求めることができる。


 <判例>

  政教分離原則の規定→「国家と宗教との完全な分離を理想とし、国家の非宗教ないし宗教的中立性を確保しようとしたもの」→「完全な分離を実現することは実際上不可能に近い」→国家と宗教がある程度かかわり合いを持つことはやむを得ない。→「宗教との関わり合いをもたらす行為の目的および効果に鑑み」、日本の社会的・文化的諸条件に照らし、「相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さない。」

→目的効果基準(最大判昭52・7・13民集31・4・533)

  →相当とされる限度を超える国家の宗教活動とは、その目的に宗教的意義があり、その効果が宗教に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉になるような行為→その典型は、宗教教育のような宗教の布教、教化、宣伝や玉串料の奉納のような宗教上の祝典、儀式、行事である(最大判平9・4・2民集51・4・1673)。


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