われらの法学 レオンラジオ 楠元純一郎

われらの会社法06 不要一看到变态就想歪啦 公司发起人的权限和非常规设立事项


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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」

エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」

作詞作曲 楠元純一郎

編曲 山之内馨


パーソナリティー・講師    東洋大学教授       楠元純一郎

パーソナリティー・録音師  美術家            レオー

常連ゲスト           哲学者・大学外部総合評価者  松尾欣治

常連ゲスト           岡山大学教授・弁護士  張紅




<<われらの会社法 6(発起人の権限・変態設立事項)>>

ラジオ収録20200530


1 発起人の権限

  発起人=会社設立請負人→会社成立後はそのまま株主となる。

  発起人→設立中の会社(権利能力なき社団)の実質的な執行機関

  同一性説→設立中の会社と成立後の会社が同一のものと仮定→発起人が設立中の会社においてその権限の範囲内(会社設立目的)でした法律行為の効果は、成立後の会社に帰属するはず。

  発起人の権限→発起人の会社設立目的で行った法律行為の効果を成立後の会社に帰属させること。


①   会社設立それ自体の行為〇 

定款の作成・公証人の認証、株式の引受け、払込み、募集設立における株主の募集・確定、設立時役員の選任、創立総会の招集、設立行為


②   会社設立にとって必要な行為〇 

   設立事務所の賃借、購入、設立事務員の雇用


③   開業準備行為△

   営業所・工場等の不動産の賃借・購入、仕入ルート・販売ルートの確保、営業員の雇用、事業資金の借入れ、財産引受け等


④   事業(営業)行為×


2 変態設立事項(危険な約束)←相対的記載事項なので、定款に記載しなければその効力が認められない。

   発起人の行う危険な約束の類型→会社財産の基礎を害するおそれ

   厳格な規制→原則として、裁判所の選任する検査役の調査を受ける必要(会社33条各号)


①   現物出資(会社28条1号)

 金銭以外の財産出資(動産・不動産・債権・有価証券・特許権・商標権・工業所有権等の知的財産権・事業の全部または一部)

 現物出資は発起人にだけ許容(会社34条1項)

 定款記載事項→現物出資者の氏名、名称、出資される財産およびその価額ならびに現物出資者に割り当てる設立時発行株式の数、種類。

 全部給付主義(会社34条1項)

 目的財産の過大評価の危険


②   財産引受け(会社28条2号)

 会社成立を停止条件として発起人が行う、成立後の会社が特定の財産を譲り受ける契約 ※会社成立後2年以内に(代表)取締役が行う譲受けは、事後設立。→株主総会の特別決議による要承認(会社467条1項5号、会社309条2項12号)。

 開業準備行為の一種

 定款記載事項→目的財産およびその価額ならびにその譲渡人の氏名・名称

 目的財産の過大評価の危険

 現物出資規制の潜脱の可能性


③   発起人の受ける報酬・特別利益(会社28条3号)

 報酬←会社設立の請負(会社設立の労に報いるため) 

 特別利益→会社の施設利用権、新株引受権等

 お手盛りの危険


④   株式会社の負担する設立に関する費用(会社28条4号)

 設立事務所の購入、賃貸、物件費、設立事務員の人件費、株主募集の広告費、株式申込書・目論見書等の印刷費、創立総会の会場賃貸料、会議費等

 ※ただし、定款認証料、登録免許税、払込取扱銀行に支払う手数料、検査役の報酬等は、額に客観性があるため、設立費用から除外される(会社28条4号括弧書)

 浪費・過大請求の危険


<設立費用の帰属(大判昭和2・7・4民集6・428)>

 「定款に定めた設立費用の額を超えた場合、設立費用として定款に定められた範囲内で会社が負担すべきである。」

 これだと、相手方は、発起人に請求すべきか、成立後の会社に請求すべきか不明。


①   相手方に請求先を発起人か会社に選択権を与える説。

②   原則として会社が全額を負担し、超過額を会社が発起人に求償できる説。

③   原則として発起人が全額を負担し、定款に記載した設立費用の範囲内で発起人が会社に求償できる説。

 浪費・過大請求を防止する法の趣旨からすれば、③説が妥当であろう。


法の厳格な定め

①   定款に記載

②   検査役の調査


  例外 検査役の調査が免除される場合


     現物出資と財産引受け(現物出資等)に関してのみ

①   定款に記載された財産引受けの価額の総額が500万円以下の場合

②   対象が証券取引所で売買されている有価証券で、定款に記載した価額が市場価格以下の場合

③   弁護士等の証明がある場合(弁護士・弁護士法人・公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人から、価額が相当であるとの証明を受けた場合)


  発起人の行為の無効→取引の安全が害される<会社設立時の会社財産の形成が害される


3 開業準備行為 (発起人の権限?△の意味。)


  開業準備行為→会社設立と直接関係なし→発起人の権限外(多数説・判例)

   しかし、財産引受けは法律上、存在する。


①   財産引受けは会社によって必要性が高いため、法が厳格な要件の下で例外的に許容したもの。(最判昭和33年10月24日民集12・14・3228)

②   発起人の権限に開業準備行為を広く認めつつ、財産引受けについては濫用の危険が大きいことから、法が特に厳格な要件を定めたにすぎない。(少数説)


  <大映スターズ事件(最判昭和33年10月24日民集12・14・3228)>

   設立登記未了の設立中の会社の代表取締役と称するYが、成立後の会社の広告宣伝のためにプロ野球球団と興行契約をし、試合を実施させたにもかかわらず、代金を支払わなかった事件において、このような開業準備行為の効果は成立後の会社に帰属すべきでないとし、民法117条1項の規定を類推し、Yに無権代理人(無権代理人の行為に類似)の責任を認めた。

 民117条1項→「他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、または本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行または損害賠償の責任を負う。」


  <定款記載のない財産引受けの効力(最判昭和61年9月11日判時1215・125)>

   「定款記載を欠く財産引受け(事業の譲受け)は、無効であり、成立後の会社が追認をしたとしても、有効となるものではないが、本件事業の譲受けから長期間が経過し、自己の残債務を拒むための無効主張は、信義則に反し、許されない。」




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