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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
パーソナリティー 楠元純一郎 東洋大学教授
パーソナリティー レオー 美術家
ゲスト 松尾欣治 哲学者・大学外部総合評価者
<われらの商行為法01(商行為法とはなにか?、商行為とはなにか?)>ラジオ収録20200926
<商行為法とはなにか?>
商法総則→商人とはなにか?商人ならなにができるか?商人ならなにをしなければならないか?(商人の物的施設、商人の人的施設)
商行為法→商行為=商取引(もっぱら商事契約)を対象←商行為法は、一般法である民法(一般私人間の権利義務関係を規律する法律)の特別法→商行為法(商人と商人(B2B)、商人と非商人(B2C)、絶対的商行為ならば非商人と非商人(C2C)もありうる)は、民法を修正したもの。
→なぜ修正する必要があるのか?→世界が異なるから
民法・商法の共通点→私法(私人間の権利・義務関係の規律)←誰にどんな権利、義務があるか?
民法は一般私人(非商人)間
商法は企業(商人)が介在
民法・商法の世界の違い
商法の世界(弱肉強食の競争社会)→営利性、簡易迅速性、大量性、反復継続性、集団性、動的安全(取引の安全)
民法の世界(牧歌的平和な社会)→営利性は低い、緩慢性、少量性、単発性、単独性、静的安全(当事者の意思をより重視)
報酬性:売買→代金、賃貸借→賃貸料、雇用→賃金、請負→報酬
無報酬性:贈与、使用貸借、消費貸借、委任、寄託、事務管理
最近の傾向→債権法改正に伴う民法の商化(民法が商法に近づいた!)
かつて、迅速性の違いから、債権の消滅時効は民法10年、商法5年であったが、民法も5年となったため、商法が削除された。
また、営利性の違いから、法定利息は民法は年5%、商法は年6%であったが、現在では共に当初3%で3年ごとに見直す変動相場制になった。
<商行為とはなにか?>
基本的商行為→商人の営業行為
※ 基本的商行為は商人(固有の商人・擬制商人)を確定するための概念。
絶対的商行為
営業的商行為
附属的商行為→商人がその営業のためにする行為で、たとえば、営業資金の借入れ等。(次回、詳しくお話しします。)
一般の商人(個人商人)を対象とする商法上の商行為の特徴→商法に規定されている行為だけを商行為としている→限定列挙(例示列挙ではない)
法人を対象とする会社法上の商行為の特徴は?
会社法5条→会社が事業としてする行為およびその事業のためにする行為は商行為とする。
→バスケット条項→会社の行為はほぼすべて商行為となる。
商行為であるかどうかを確定する意義は?→ 商行為法の適用可能性のため
1 絶対的商行為(商法501条)→極めて営利性が高く、1回限りの行為でも商行為となる行為
1号 利益を得て譲渡する(転売)意思をもってする動産(不動産以外の物)、不動産(土地およびその定着物)もしくは有価証券(財産権が表章された証券(紙片)であり、権利の発生・移転・行使のいずれかの場面においてその証券を必要とするもの)たとえば、株式、社債、手形等)の有償取得(仕入れ)またはその取得したものの譲渡(転売)を目的とする行為。 <利ざや狙いの投機購買とその実行売却>→「安く仕入れて高く売る」
2号 他人から取得(借用)する動産(⭐️不動産なし→不動産は物の個性が強く、買い戻せない可能性が高いから)または有価証券の供給契約(売却)およびその履行のため(借りた物を返す)にする有償取得(第三者からの買戻し)を目的とする行為 →空売り(short sale)、先物取引 <利ざや狙いの投機売却と実行購買>
3号 取引所(証券取引所・商品先物取引所)においてする取引
4号 手形(約束手形、為替手形、小切手)その他の商業証券(株券、社債券、運送証券、倉庫証券など)に関する行為(手形の振出・裏書・引受等、証券の発行等)
2 営業的商行為(商法502条) →営利性はやや低いが、繰り返し行なうことによって商行為となる行為
次に掲げる行為は、営業(営は営利、業は反復継続)としてするときは、商行為とする。ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し、または労務に従事する者の行為は、この限りでない。
1号 賃貸する意思をもってする動産もしくは不動産の有償取得(仕入れ)もしくは賃借したものの賃貸(お金をとって貸すためにお金を払って借りる)を目的とする行為 <投機貸借とその実行行為>→レンタル業
2号 他人のための(「他人のため」とは、他人の計算で材料を購入)製造または加工(加工とは物の同一性を失わない程度で材料に変更を加えること)に関する行為(それによって報酬を受ける)
3号 電気またはガスの供給(水の供給は含まれていない)
4号 運送 運送に関する行為とは運送を引き受けること。運送とは、人や物の場所的移動 人→旅客運送、物→物品運送、場所→陸海空 ※都営地下鉄(公法人)の旅客運送も商行為。
5号 作業(作業の請負→不動産上の工事の請負→土木・建築・ゼネコン業)または労務(作業員その他の労働者の供給=人材派遣)の請負
6号 出版・印刷・撮影
7号 客の来集を目的とする場屋(じょうおく)の取引(公衆の来集に適した物的・人的設備を整えて、これを利用させる行為。→ホテル、レストラン、劇場、遊園地等。ただし、理髪店の理髪業は場屋取引ではないとする判例あり。大判昭和12・11・26民集16・1681) 大審院は最高裁以前の上告審)
8号 両替その他の銀行取引 銀行業務=両替業務・与信業務・受信業務
ノンバンクである貸金業者、質屋の営業は銀行取引ではない。←両替、受信業務がないから。
9号 保険 保険者←保険契約→保険契約者 平成20年に保険法として商法典から独立した。
10号 寄託の引受け 他人のために物の保管を引き受けること。倉庫業者、トランクルーム
11号 仲立または取次 仲立は他人間の法律行為の媒介を引き受ける行為。
不動産仲介業は仲立
取次は、自己の名をもって他人の計算で法律行為をなすことを引き受ける行為。
自己の名をもってとは自己に法律効果が帰属、他人の計算でとは、他人に経済効果が帰属。証券業がその典型で、証券会社は問屋(といや)。運送取扱業も取次。
12号 商行為の代理の引受け 委託者本人にとって商行為となる行為の代理を引き受けること。損害保険代理店
13号 信託の引受け 信託とは財産の管理や処分を引き受ける行為
オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
パーソナリティー 楠元純一郎 東洋大学教授
パーソナリティー レオー 美術家
ゲスト 松尾欣治 哲学者・大学外部総合評価者
<われらの商行為法01(商行為法とはなにか?、商行為とはなにか?)>ラジオ収録20200926
<商行為法とはなにか?>
商法総則→商人とはなにか?商人ならなにができるか?商人ならなにをしなければならないか?(商人の物的施設、商人の人的施設)
商行為法→商行為=商取引(もっぱら商事契約)を対象←商行為法は、一般法である民法(一般私人間の権利義務関係を規律する法律)の特別法→商行為法(商人と商人(B2B)、商人と非商人(B2C)、絶対的商行為ならば非商人と非商人(C2C)もありうる)は、民法を修正したもの。
→なぜ修正する必要があるのか?→世界が異なるから
民法・商法の共通点→私法(私人間の権利・義務関係の規律)←誰にどんな権利、義務があるか?
民法は一般私人(非商人)間
商法は企業(商人)が介在
民法・商法の世界の違い
商法の世界(弱肉強食の競争社会)→営利性、簡易迅速性、大量性、反復継続性、集団性、動的安全(取引の安全)
民法の世界(牧歌的平和な社会)→営利性は低い、緩慢性、少量性、単発性、単独性、静的安全(当事者の意思をより重視)
報酬性:売買→代金、賃貸借→賃貸料、雇用→賃金、請負→報酬
無報酬性:贈与、使用貸借、消費貸借、委任、寄託、事務管理
最近の傾向→債権法改正に伴う民法の商化(民法が商法に近づいた!)
かつて、迅速性の違いから、債権の消滅時効は民法10年、商法5年であったが、民法も5年となったため、商法が削除された。
また、営利性の違いから、法定利息は民法は年5%、商法は年6%であったが、現在では共に当初3%で3年ごとに見直す変動相場制になった。
<商行為とはなにか?>
基本的商行為→商人の営業行為
※ 基本的商行為は商人(固有の商人・擬制商人)を確定するための概念。
絶対的商行為
営業的商行為
附属的商行為→商人がその営業のためにする行為で、たとえば、営業資金の借入れ等。(次回、詳しくお話しします。)
一般の商人(個人商人)を対象とする商法上の商行為の特徴→商法に規定されている行為だけを商行為としている→限定列挙(例示列挙ではない)
法人を対象とする会社法上の商行為の特徴は?
会社法5条→会社が事業としてする行為およびその事業のためにする行為は商行為とする。
→バスケット条項→会社の行為はほぼすべて商行為となる。
商行為であるかどうかを確定する意義は?→ 商行為法の適用可能性のため
1 絶対的商行為(商法501条)→極めて営利性が高く、1回限りの行為でも商行為となる行為
1号 利益を得て譲渡する(転売)意思をもってする動産(不動産以外の物)、不動産(土地およびその定着物)もしくは有価証券(財産権が表章された証券(紙片)であり、権利の発生・移転・行使のいずれかの場面においてその証券を必要とするもの)たとえば、株式、社債、手形等)の有償取得(仕入れ)またはその取得したものの譲渡(転売)を目的とする行為。 <利ざや狙いの投機購買とその実行売却>→「安く仕入れて高く売る」
2号 他人から取得(借用)する動産(⭐️不動産なし→不動産は物の個性が強く、買い戻せない可能性が高いから)または有価証券の供給契約(売却)およびその履行のため(借りた物を返す)にする有償取得(第三者からの買戻し)を目的とする行為 →空売り(short sale)、先物取引 <利ざや狙いの投機売却と実行購買>
3号 取引所(証券取引所・商品先物取引所)においてする取引
4号 手形(約束手形、為替手形、小切手)その他の商業証券(株券、社債券、運送証券、倉庫証券など)に関する行為(手形の振出・裏書・引受等、証券の発行等)
2 営業的商行為(商法502条) →営利性はやや低いが、繰り返し行なうことによって商行為となる行為
次に掲げる行為は、営業(営は営利、業は反復継続)としてするときは、商行為とする。ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し、または労務に従事する者の行為は、この限りでない。
1号 賃貸する意思をもってする動産もしくは不動産の有償取得(仕入れ)もしくは賃借したものの賃貸(お金をとって貸すためにお金を払って借りる)を目的とする行為 <投機貸借とその実行行為>→レンタル業
2号 他人のための(「他人のため」とは、他人の計算で材料を購入)製造または加工(加工とは物の同一性を失わない程度で材料に変更を加えること)に関する行為(それによって報酬を受ける)
3号 電気またはガスの供給(水の供給は含まれていない)
4号 運送 運送に関する行為とは運送を引き受けること。運送とは、人や物の場所的移動 人→旅客運送、物→物品運送、場所→陸海空 ※都営地下鉄(公法人)の旅客運送も商行為。
5号 作業(作業の請負→不動産上の工事の請負→土木・建築・ゼネコン業)または労務(作業員その他の労働者の供給=人材派遣)の請負
6号 出版・印刷・撮影
7号 客の来集を目的とする場屋(じょうおく)の取引(公衆の来集に適した物的・人的設備を整えて、これを利用させる行為。→ホテル、レストラン、劇場、遊園地等。ただし、理髪店の理髪業は場屋取引ではないとする判例あり。大判昭和12・11・26民集16・1681) 大審院は最高裁以前の上告審)
8号 両替その他の銀行取引 銀行業務=両替業務・与信業務・受信業務
ノンバンクである貸金業者、質屋の営業は銀行取引ではない。←両替、受信業務がないから。
9号 保険 保険者←保険契約→保険契約者 平成20年に保険法として商法典から独立した。
10号 寄託の引受け 他人のために物の保管を引き受けること。倉庫業者、トランクルーム
11号 仲立または取次 仲立は他人間の法律行為の媒介を引き受ける行為。
不動産仲介業は仲立
取次は、自己の名をもって他人の計算で法律行為をなすことを引き受ける行為。
自己の名をもってとは自己に法律効果が帰属、他人の計算でとは、他人に経済効果が帰属。証券業がその典型で、証券会社は問屋(といや)。運送取扱業も取次。
12号 商行為の代理の引受け 委託者本人にとって商行為となる行為の代理を引き受けること。損害保険代理店
13号 信託の引受け 信託とは財産の管理や処分を引き受ける行為