われらの法学 レオンラジオ 楠元純一郎

われらの商行为法08 商事売買2 買主の目的物検査通知義務・目的物保管供託義務


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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」

エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」

作詞作曲 楠元純一郎

編曲 山之内馨




<LeoNRadio日の出 われらの商行為法08(商事売買2 買主の目的物検査通知義務・目的物保管供託義務)>

ラジオ収録 20201122


商事売買の特則(2)


<買主の目的物検査通知義務>


商事売買(商人間B2Bの売買)→ 売主保護


売買契約(民555条)(C2C,B2C,B2B)


売主の義務→目的物引渡義務  売主の権利→代金支払請求権


買主の義務→代金支払義務   買主の権利→目的物引渡請求権



契約不適合→不完全履行→債務不履行の一部→売主の担保責任(C2C,B2C)、損害賠償責任(C2C,B2C,B2B)、契約の解除(C2C,B2C,B2B)



 民562条→引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して、契約の内容に適合しないもの(不完全履行)であるときは、買主は、売主に対し、追完請求(目的物の修補、代替物の引渡しまたは不足分の引渡し)によをすることができる(追完請求権)。

 


 民563条→1項→相当の期間を定めて追完請求の催告をした後に、履行の追完がない場合→代金減額請求権


     →2項→追完不能、追完拒否、定期行為、追完見込みがない場合→催告なしに直ちに代金減額請求 


(代金減額請求権)


 ※追完請求できない場合または追完請求しても仕方がない場合→追完不能→修理ができない、交換しようにも、不足分を補うにも代替物がない。追完拒否。定期行為(ある特定の日時、一定の期間に履行がなされなければ契約の目的を達成できない場合)。債務者に追完する意思がない。



 民564条→損害賠償請求権(民415条)(債務不履行一般の損害賠償に関する規定)


        →過失責任(故意・過失・信義則上、これと同視しうる事由)


         損害賠償の範囲→通常損害、予見可能な特別損害(民416条)


     →契約の解除権(民541条、542条)(債務不履行一般の契約解除に関する規定)


        →催告による解除(民541条)→相当の期間を定めて催告→履行なし→解除権の行使(一方的な意思表示(単独行為)→相手方の承諾は不要)


         催告によらない解除(民542条)→催告しても仕方がない場合。→全部履行不能、全部履行拒絶、一部履行不能・一部履行拒絶、定期行為、履行の見込みなし



 民566条→担保責任の期間制限→買主が契約不適合を知った時から1年以内にその旨通知しなければ、追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除をすることができない。



 商事売買(商人間B2Bの売買)


商526条1項→商人間の売買において、買主はその売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない(買主の目的物検査義務)。



商法526条2項前段→買主が1項の検査により、目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合していないことを発見したときは、直ちに売主に対してその旨通知を発しなければ、追完請求、代金減額請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができない(買主の通知義務)。



商526条2項後段→売買の目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しないことを直ちに発見できない場合、買主が6ヶ月以内にその不適合を発見したときもその旨の通知を発しなければならならず、通知をしなければ、追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除をすることができない。


 ※商事売買では、契約不適合の通知は直ちに、直ちに発見できない場合は発見した時から6ヶ月。


  民事売買では、契約不適合の通知はそれを知った時から1年。


  売主が担保責任を負う期間は、民事売買より商事売買の方が短い。→商事売買の場合、売主は長期に担保責任を負わされないことから、法律関係が早期確定することによって、売主は保護されている。



<買主の目的物保管・供託義務>


商人間の売買(B2B)→売主保護


契約不適合(種類・品質・数量に関して)があった場合→解除


民法545条→契約を解除するとどうなるか?→解除の効果→各当事者は現状回復義務を負う。


 現状回復とは?→契約前の状態に戻す。たとえば、売買契約後、代金をすでに払っていたら、それを払い戻しをしてもらい、また、目的物をすでに引き渡していたら、それを売主に戻す義務。


商527条1項本文→買主は契約の解除をした場合であっても、(現状回復をするのではなく)、売主の費用で、売買の目的物を保管し、または供託しなければならない。(目的物の保管・供託義務)


  ※売主にとっては、商品を送り返してもらう運送費用を負担するより、しばらくそれを保管・供託してもらい、その間、別の買主を探した方が有利(運送費用の削減)な場合もあることから、この規定は、売主の便宜を図ったもの→売主保護


商527条1項ただし書→その物について滅失、損傷のおそれがある場合、裁判所の許可を得て競売し、かつ、その代価を保管し、または供託しなければならない。→裁判所(売買の目的物の所在地を管轄する裁判所)(同条2項)の許可→競売→買主は売主に遅滞なく通知を発する義務(同条3項)


商527条4項→売主と買主の営業所が同一市町村内にある場合には、買主の目的物保管供託義務の規定は適用しない。





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