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まんまと引っかかったなぁ。…嘘だよ。そんな恐い顔するなって。冷たくなった風と踊る黄色い葉に、君のため息が吹く。「仕方がない」という言葉がこんなにしっくりきてしまうのは、君も僕もあまりに無垢で、世間知らずだったから…かな。今はそう信じていたいだけなのかもしれない。それがたとえ僕の、僕自身の弱さだとしても、君と重ねた時間を汚したくない。
昔からそうだった。本当に伝えたいことは掌をすり抜けて、足元に垂れてゆく。それが僕の不器用で、嫌いなところなんだけど、どうしてだろう。君は僕のそういう未完成な部分をきまって、「すき」と言う。複雑な気持ちでそれを聞く僕は、いつも大して気の利いていない相槌で返すんだ。
燃えるような愛を、吹き抜ける風と共に炊き上がらせて、明日に持っていくことができたらいいのに。柄にもなく僕は、真っ直ぐ君を見つめたまま、心で逸らした。
君が好きな僕は、いつでも未熟で粗いまま。それでいい、それがいいと。僕の嫌いな僕が、君を明日から遠ざけていたとしても、きっと君はそれを許すだろう。
そんな君に甘えて僕は、またいつものように"ちょけて"見せては、誤魔化した。
そして君はまたいつものように、優しく僕を睨むんだ。
まんまと引っかかったなぁ。…嘘だよ。そんな恐い顔するなって。冷たくなった風と踊る黄色い葉に、君のため息が吹く。「仕方がない」という言葉がこんなにしっくりきてしまうのは、君も僕もあまりに無垢で、世間知らずだったから…かな。今はそう信じていたいだけなのかもしれない。それがたとえ僕の、僕自身の弱さだとしても、君と重ねた時間を汚したくない。
昔からそうだった。本当に伝えたいことは掌をすり抜けて、足元に垂れてゆく。それが僕の不器用で、嫌いなところなんだけど、どうしてだろう。君は僕のそういう未完成な部分をきまって、「すき」と言う。複雑な気持ちでそれを聞く僕は、いつも大して気の利いていない相槌で返すんだ。
燃えるような愛を、吹き抜ける風と共に炊き上がらせて、明日に持っていくことができたらいいのに。柄にもなく僕は、真っ直ぐ君を見つめたまま、心で逸らした。
君が好きな僕は、いつでも未熟で粗いまま。それでいい、それがいいと。僕の嫌いな僕が、君を明日から遠ざけていたとしても、きっと君はそれを許すだろう。
そんな君に甘えて僕は、またいつものように"ちょけて"見せては、誤魔化した。
そして君はまたいつものように、優しく僕を睨むんだ。